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2006年07月23日
水平思考推理ゲーム(Lateral Thinking Puzzles)
水平思考推理ゲームってご存知ですか?
シチュエーション・パズルとも呼ばれています。
まずは簡単な問題。
床屋
ある村に旅人が立ち寄った。
散髪しようと思ったが、小さな村で、床屋は2軒しかない。
どっちの店で切ってもらうか?
1軒は店もきれいで、店主の外見もこざっぱりしている。
もう一軒は見るからに汚く、店主の外見はむさくるしい。
しかし、旅人は小汚い床屋の方で髪を切ってもらうことにした。
なぜだろう?
水平思考推理ゲームは、出題者の出す謎を、解答者数人がさまざまな推理を働かせて解くゲームです。解答者は問題を解くために、出題者に「はい」「いいえ」「関係ありません」の3通りで答えられるような質問をすることができます。ある解答者のユニークな発想、他の解答者の鋭い質問をヒントにして、各自推理を進めていきます。できるだけ柔軟に発想し、想像力を最大限に働かせることが大切です。
「水平思考」はエドワード・デボノ氏が提唱しました。
垂直思考が論理的にどこまでも深くまっすぐ穴を掘り進むような思考方法であるのに対し、水平思考とは、浅くあちらこちらにたくさん穴を掘るような思考方法であるとのこと。現代では、垂直思考的な事象を突き詰めることはコンピュータが代行してくれるので、人間は新しい問題解決の方法を考えることが必要になり、水平思考によってその答えが得られるのだと説明しています。
実際には、専門的に掘り下げることも不可欠ですし、横道にそれて新しいアイデアを膨らますことも必要ですし、垂直思考・水平思考併せ持った能力が必要なのではないでしょうか。このことを、建築の分野では「T定規理論」と呼ぶ人もいます。T定規というのは、長い木製定規の先が「T」の字型になっている昔ながらの製図道具です。底辺となるT型の幅広さも垂直方向の定規の長さも両方とも必要である、というわけです。
水平思考は、論理的にステップを踏んで考えることをあえて放棄し、偶然のひらめきのようなものを意識的に作り出す思考方法です。
ひらめきって、思いついたその時は「これはすごいぞ~」「今回の提案のコアにつかえる!」なんて思えてきて、すぐにいい気になってしまうのですが、時間がたって、いざそれを絵や文章や図面にする段になると、「え~っ、こんなのだっけ?」とがっかりするのが私の常。
では、むずかしい問題も紹介いたしましょう。かなりむずかしいですよ。
答えはこれと決まっているわけではありませんが(それが水平思考の本意!)、この問題の答えはちょっとやそっとでは思いつかないようなものでした。参りました。
腕を送る男
ある男が郵便小包を受け取った。
中には人間の切断された左腕が入っていた。
男はその腕をしげしげと見つめてから、包み直して別の男に送った。
2人目の男も、その腕をしげしげと見つめた後に、森へ持って行き焼却した。
2人の男は、なぜこんなことをしたのだろう?
あれやこれや考えてみてください。
簡単な問題・むずかしい問題とも、後日、ご参考に答えをお知らせいたします。
(株)エクスナレッジから、LTPを集めた本が3冊でています。上記の問題もこの3冊の中から出題しました。
投稿者 MCAT : 2006年07月23日 01:25
コメント
ちょっとご無沙汰しているうちに、華やかなブログになっていてびっくり。とても、楽しいです。これからも、よろしくお願いします。
パズルなんて、懐かしいです。学生の頃、父親が持っていたいろいろなパズルの本を見ていたのを思い出します。数学パズル、図形パズル、MCATさんのような推理パズル。。。
「なぜ、そのような行動を取ったのか?」という推理パズルの答えを見て、「なるほど、人間の思考は深いのね」と良く感心していました。なのに、最近は短絡的な出来事が多くて、ちょっとついていけません。
久しぶりに、パズルの本を買ってみようかな。MCATさんご推薦の。。。
投稿者 miffy : 2006年07月24日 10:45
miffy さま
コメントありがとうごいます。
この手のパズルは子供とやってもおもしろいですよ。
知識を必要をするものではなく、発想の多彩さが勝負ですので。
ハズレでも(全部の条件を満たしていなくても)、「なんてことを考えるのだろう」とびっくりしたり感心したり……楽しいです。
確か阿刀田高さんのエッセイに実のお子さんの笑い話がありました。
親「1時間に30秒進む時計があります。今、時計は1時です。5時間後には何時を指していますか?」
子供の答え「1時2分30秒」
親「5時間後なのにか?」と怒り出す。
子供は真剣な顔で「だって、1時間に30秒進むんだよぉ!」
我が家では……。
小学校の社会の問題「輸出品で一番多いのは何でしょう?」
グラフを見て簡単に答えられる問題です。
ウチの子の答え「その他」
……たしかに、グラフを見ると「その他」が一番多いのですが。
投稿者 MCAT : 2006年07月24日 23:14
きれいで素敵なブログで、見るのが楽しみです。
悩んでしまっています。答えが知りたいです。
「床屋」は、以下で話しのつじつまが合うのではと思います。
小汚い床屋の方が、
①料金が安く、旅人はお金が余りありませんでした。
②親戚等、知り合いでした。
③一泊、食事等、各種サービスがありました。
「腕を送る男」は、むずかしいです。
答えると、知能や癖や性格が見抜かれてしまいそうな気がちょっとします。
①送り主は、先日確かに死んだ、左腕の本人からでした。
その人は、バイオリニスト等、左腕に職能等を持っていて、
左腕は、その人にとって、とても大切なものでした。
一枚の紙が入っていたかもしれません、「形見です。」
ある男は、遺族の2人目の男に送りかえしました。
②送り主は、医学や歴史学等の研究機関でした。
研究者のある男は、左腕をしげしげと見つめて、
新しい発見がないとわかり、2人目の男に送りました。
各種手続きを経て、森にある焼却場で、
手厚く焼却しました。
投稿者 一口カステラ : 2006年07月25日 21:33
一口カステラさん
いろいろと考えてますね。
答えは、もう少し待ってくださいね。
「床屋」の方は、①~③でOKだと思います。
本に載っている答えは、「なるほど~」と思わせるものです。
「腕を送る男」
①送り主は生きています。
②送り主は一個人です。
投稿者 MCAT : 2006年07月26日 10:12
男性ですが、たまたま漂着しましたので…^^;
エドワード・デボノ…
懐かしい名前です。
水平思考の後、ポー理論を展開されていましたね。
今から○十年前の中学生のころ、彼の著書「水平思考の世界」や「デボノ博士のポー」に夢中になっていました。
今でも無意識のうちに水平思考を模索しているときがあります。
投稿者 dewey : 2006年07月28日 00:02
dewey さん
はじめまして。
ようこそ。
漂着してくださってありがとうございます。
ブルー・バックス少年でいらしたのでしょうか?
deweyさんの名前をクリックしてみたら。
「光と彩」で遊ぶ。。。。。のタイトルどおり、美しい写真があふれています。次のページ、次のページとクリックして、いつまでも見入ってしまいました。
みなさんもご覧になってみてください。心が洗われたような気がします。くせになりそう……。
くれぐれも私の撮っている素人写真と見比べないで下さいね。
投稿者 MCAT : 2006年07月28日 23:28