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2006年11月27日
またいつか
こんにちは。白鳥です。
2ヵ月間ブログを担当してきて今回が最終回となります。
最初は初めてのブログで不安一杯のスタートでした。一回目は本当に難産で、どうしたものかと思いましたが、HP係りの二人のHさんに助けていただき、なんとか書き出すことができました。お二人に心から感謝いたします。
最後はやはり地元の風景にしたいと思いましたが、今年は紅葉が遅いので、かわりにウチの庭の様子などをご紹介したいと思います。
はじめにウチの庭の今の様子です。もう少しするといろいろな椿が咲きますが、今は殆ど花がありません。
マユミの実が膨らんで種が見えます。
ミセバヤが紅葉してきました。これからもっと真っ赤になります。
菊も殆ど枯れましたが、これは遅咲きの黄色い菊です。
リンドウの季節です。青紫できれいです。
万両の実です。
サザンカが咲き出しました。
ウチの周りではまだあまり紅葉が見られませんが、山梨の勝沼ぶどう郷にトンネルのワインカーブを見に行ってきましたので、紅葉とあわせて紹介します。
旧JR深沢トンネルは、明治時代にできたレンガ造りのトンネルです。これを勝沼町(現甲州市)が譲り受けて、ワインの貯蔵所として整備しました。
このワインカーブは、今年の土木学会誌の1月号で紹介されたものです。
1ユニットに300本のワインが貯蔵できるそうです。大臣など有名人や企業も利用しているそうです。
お昼に「皆喜(みなき)」というお店でほうとうを食べました。
古民家を使っていて、入り口の草花の雰囲気が良かったです。
皆喜の庭にあったミセバヤの小鉢です。やはり少し紅葉しています。
これは、authenticityさんが好きなお花ではないでしょうか。皆喜の庭に咲いていました。
今の時期、枯露柿をつるしている家が多いです。おおぶりでおいしそうです。
寺町通りに抜ける途中で見つけた紅葉です。
葡萄がところどころ残っています。
マンホールの蓋も葡萄です。素敵ですね。
勝沼は、近代土木遺産の多いところです。
遠くに見えるのが新旧二つの祝橋です。奥のコンクリートのアーチ橋が古い祝橋で、近代土木遺産です。今は徒歩でのみ通ることができます。
ケレップ水制郡ならぬ日川水制郡です。日川の氾濫を防ぐためにT字方の石積みを地下に埋めてあり、その表面の石だけがブドウ畑の中に見えます。これも近代土木遺産の一つです。日川の両岸に40以上建設されていて、戦後、この水制郡に沿って護岸がなされたそうです。
勝沼と言えば葡萄とワインですね。
これは、宮崎葡萄酒醸造所脇のイチョウの木です。
メルシャンで管理しているワイン資料館の看板が素敵でした。
資料館の中です。申し込みがないと入れないようです。
どこかのワイナリーの壁の蔦が赤くてきれいでした。
テレビドラマの撮影があったという「原茂ワイナリー」の入り口です。勝沼のワイナリーは、白い壁と木の柱の日本風の建物が多く、ここもとても素敵な雰囲気でした。
原茂ワイナリーの庭のテーブルに葡萄の「かいじ」の入った籠が置かれていました。一日中歩き回って疲れていたところでしたので、一粒のかいじがとても甘くておいしかったです。
「ぶどうの丘」の紅葉です。ぶどうの丘は勝沼町営(現甲州市営)の施設で宿泊もできます。地下にワインカーブがあって、タートバンという容器を買って、いろいろなワインを試飲できます。
ワイングラス館の紅葉です。真っ赤できれいでした。
ワイングラス館ではビーズなどを使ってアクセサリーを自分で作ることができます。見本があるので、それを選んでそのとおりに作ってみました。
以上です。
またいつか機会がありましたら書かせていただきたいと思います。
投稿者 shiratori : 00:18 | コメント (6)
2006年11月26日
友禅その3
こんにちは。白鳥です。
今回は私が一番気に入っている作品をご覧いただきます。
それは、私の好きな椿の花を図案化した振袖です。この椿は、ほんのうっすらサーモンがかった薄ピンクの大輪の花と、椿にしては細身の葉が特徴です。2反の生地を使って八掛にも柄を付けています。自分で言うのもおかしいのですが、写真より実物の方がずっときれいです。
椿のスケッチです。この椿はもう少し寒くなると咲きます。
振袖です。なかなか思うようにはうまく写真が撮れません。
少しでも色写りが良く撮れないかとたくさん撮ってしまいました。
次の作品は、色留袖です。図案は笹を図案化したものです。地の色と模様の色の取り合わせが気に入っています。この着物は刺繍を施してあります。日本刺繍は本当に繊細で美しいです。一本の糸がとても細く、細い何色もの糸を重ねて色の微妙なぼかしを表現しています。まるで、細い筆で丁寧に染め上げたようです。
白とグレーの笹の葉の部分が好きです。地が濃いので逆のアクセントになっています。
葉のまわりに施された金糸や花の部分の刺繍がわかりますでしょうか。
次は、猫を図案化した帯です。この子はクリではなく、以前いた雌猫のマルです。クリと違って八頭身美人で気も強く、頭が良くて、おてんばな子でした。人が大好きで少しも物怖じしない良い子でした。この子が私の首にかじりついてずっと舐めていたという猫です。帯のお太鼓はボタンの花を背負っています。前の部分は、子猫のときのマルです。親ばかで、この帯を見ていても思い出して涙が出てきます。
おすましマルちゃん。足がすらっと長くて評判の美人でした。「ボタンが似合うかしら?」
子猫のマルです。安心しきって熟睡しています。こちらまで幸せな気分になります。足のお豆もピンクでとてもきれいでした。
次の帯は古典模様のくす玉です。金通しの帯地に染めていますので、織の帯のように見えます。
帯の太鼓の部分です。大きなくす玉です。
帯の前の部分です。
これも前の部分で、どちらか好きな方を出すことができます。
次は黒地に白い百合を染めた帯です。以前ご覧いただいたクリのピンクの着物にこの黒い帯を締めるとよく合います。
お太鼓の部分です。この帯は「三通」といって、お太鼓からたれまで模様が続いています。
前の部分です。
最後はまだ仕立てていませんが、葡萄の図案の帯です。これも金通しで、きらきら光っています。自分で締めたくて染めた帯です。
お太鼓の部分です。この帯も三通で、たれまで模様が付いています。
前の部分です。
友禅は今回が最後です。ご覧いただきありがとうございました。
投稿者 shiratori : 21:51 | コメント (4) | トラックバック
2006年11月19日
友禅その2
こんにちは。白鳥です。
今回も友禅をご覧いただきます。
はじめは池に雪が降っているところを着物に染めたものです。
糊をおいてふんわりした雪を表現してみました。友禅では白い色は染料ではなく胡粉という顔料を使いますが、ここでは白い雪は糊で防染しています。つまり、生地の色がそのまま出ています。
コイが泳いでいますが、このコイは、陶器の図柄をまねしたものです。
この寒椿は前の家から持ってきたもので、何年かきれいに咲きましたが、無理をしたみたいで、残念ながら枯れてしまいました。
小さい笹の葉がたくさん出ています。
友禅の柄は、上前にたくさん付けます。袖は右の外袖に最も多く、次に左の内袖に多く付けます。これは肩から右の外袖にかけての模様です。
胸から左の内袖の部分です。
次も着物で、一重の綸子です。古典の着物の写真集でとても気に入った図柄があり、真似をしてみました。図案は似ていますが、色彩はまったく違います。これはかなり凝った技法を使っています。ぼかしに特徴がありますし、葉と茎の部分はうつし糊を使いました。糊に染料を混ぜ、それを生地に置いて染めます。バックの地の色と似せることで、葉や茎が地の色に溶けるようにみせたつもりです。これに白い帯を合わせるとなかなか良いものです。
次は夏紬にススキを描いたものです。これもうつし糊を使って影の部分を表現しました。昨年韓国で行われたICWESで着ました。夏紬はシャリ感やもともとの地の色が渋くて素敵です。
次はまだ仕立てていない帯で、模様は花更紗です。友禅の技法ではなく、こうした更紗の技法も使います。下絵を付けた後は、面倒な糸目のかわりにリキテックスを使って輪郭を描いています。好きな色をたくさん使ってお絵かきをするように楽しめます。
おまけで花石榴と美女栁のスケッチをご覧いただきます。どちらも図案化して帯を染めたのですが、どこかに紛れてしまって見当たりません。スケッチだけご覧ください。
投稿者 shiratori : 22:16 | コメント (8) | トラックバック
2006年11月13日
友禅その1
こんにちは。白鳥です。
趣味の手描友禅染をご覧いただきたいと思います。
友禅は、京都の扇絵師だった宮崎友禅斎が始めたといわれています。京都の知恩院に友禅斎の碑があります。偶然かどうかわかりませんが、知恩院は私が友禅を学んでいる梅窓院の総本山でもあります。
友禅斎は、扇に絵を描くように着物を染めたのだと思います。友禅によって、それまでにない自由な模様、美しい色彩、豪華な図柄が染められることとなりました。
加賀友禅も友禅斎によるものといわれていますが、「加賀五彩」を使うことや、ぼかしの濃淡の付け方が京友禅と逆であること、「虫食い」という独特の技法を用いるなど、京友禅には見られない特徴があります。
友禅は、普通、模様の輪郭を糸目糊という糊でくくり、その中を彩色します。彩色することを「友禅する」といいます。糸目糊でくくることは非常に難しいのですが、細くて均一な糸目は最後に洗い流されて、やさしくたおやかな白い線となります。川で糊を洗い流す作業が「友禅流し」です。神田川沿いは染物屋が多く、昔は神田川でも友禅流しが行われていたのかもしれません。
糸目を付ける友禅を本友禅または糸目友禅と呼びます。これに対し、糸目糊でくくらず、生地に直接彩色する方法を無線友禅といいます。無線友禅は糸目の手間はありませんが、糸目糊で防染できないため、滲まないよう、筆の速さが必要となります。
これは、無線友禅でポピーを描いたものです。
桜草です。
ヒメサユリです。これはヒメサユリの花をスケッチして描きました。
ヒメサユリのスケッチです。
友禅の手順は、スケッチすることから始まります。スケッチの後は、図案→下絵→糸目糊→地入れ→彩色→伏せ糊→地入れ→地染め→仕上げとなります。下絵は反物を着物に仮縫いした状態で描き、それ以外の作業は、仮縫いしたものを再度ほどいて反物の状態にして行います。
植物や動かないものはそのままスケッチしますが、動物など動くものはあらかじめ写真を撮ってからスケッチすることもあります。
クリのスケッチです。写真からスケッチしたものです。
クリを糸目友禅で着物に染めてみました。
以前の家の裏に蕗の葉や萱の葉が茂っていて、クリは脱走すると嬉しそうに満足しきった顔でこちらを見るのでした。
スズランとクリをあわせてみました。
桜草とクリです。蝶々も飛ばしました。
小菊とクリです。香りを味わっている、「違いのわかる」クリです。
猫じゃらしの中で何を想うやら。
もみじにチュッ。トンボもいます。
草むらでご満悦のクリです。
匂いウツギのスケッチです。匂いウツギは、初夏に咲く花でとても良い匂いがします。花芯が紫の小さな白い花で、枝がしなって風情があります。
匂いウツギを着物に染めました。花芯の紫のぼかしを丁寧に楽しんで染めたことを思い出します。
今は友禅に時間をかけることができず、久々に自分の染めたものを見て、懐かしいやら寂しい気持ちです。
次回もまた友禅です。
投稿者 shiratori : 22:41 | コメント (7)
2006年11月05日
僕だって!(りきの昼下がり)
こんにちは。白鳥です。
リキファン、がいらっしゃるかどうかわかりませんが、犬派のあなたにお届けします。
まずは奇跡の1枚ともいうべきかわいらしい写真です。2年くらい前のものですが、とても噛み付くなんて思えないでしょう?
リキは、すぐに唸るくせに、本当は寂しがりやで甘えん坊です。母や私にそばにいてほしいのです。カメラを持って近づくと、何々?来てくれるの?と寄ってきます。なでてもらうのが大好きで、至福のひととき、といった表情をします。
『何々?来てくれるの』
『お母さん、大好き。もっとずっとなでていて』
リキは水が大嫌いで、洗うのは大変です。最近では、かかりつけの病院で洗ってもらいます。洗ったときだけ、まるで王子様のように、白くてりりしくなります。
洗った後の、とっておきの写真を載せようとしましたが、サイズが大きすぎてアップロードできませんでした。残念。
ある日、母と散歩に行こうとしてリキに見つかってしまいました。
『僕をおいてどこに行くの?』
この日はぐっすり眠っていて、私が近づいても気づきません。
ちょっとラブリーな横顔です。
『水でも飲もうっと』
『早くここまで来てよ~』
『足など組んで、カッコ付けてみました』
『でも退屈な昼下がりだなぁ』
『僕ってカッコいい?』
という訳で、ウチのプリンスをお届けしました。
きょうは小春日和でした。近所の方から、川のほとりの河津桜が少し咲いていると聞いて、母と散歩にいきました。母はシニアカー運転です。河津桜は普通の桜よりは早く咲きますが、それでも2月頃に咲くものです。まだ11月というのに暖かいためか、間違って咲いてしまったようです。
どこかのお宅の枝垂桜もちらほら咲いていました。
道の脇のあちらこちらにカタバミが咲いていました。
ウチの庭のサザンカが咲きました。清楚でかぁいらしいったら!
最後におまけのクリです。我が物顔で、リラックスしています。