2006年11月26日
友禅その3
こんにちは。白鳥です。
今回は私が一番気に入っている作品をご覧いただきます。
それは、私の好きな椿の花を図案化した振袖です。この椿は、ほんのうっすらサーモンがかった薄ピンクの大輪の花と、椿にしては細身の葉が特徴です。2反の生地を使って八掛にも柄を付けています。自分で言うのもおかしいのですが、写真より実物の方がずっときれいです。
椿のスケッチです。この椿はもう少し寒くなると咲きます。
振袖です。なかなか思うようにはうまく写真が撮れません。
少しでも色写りが良く撮れないかとたくさん撮ってしまいました。
次の作品は、色留袖です。図案は笹を図案化したものです。地の色と模様の色の取り合わせが気に入っています。この着物は刺繍を施してあります。日本刺繍は本当に繊細で美しいです。一本の糸がとても細く、細い何色もの糸を重ねて色の微妙なぼかしを表現しています。まるで、細い筆で丁寧に染め上げたようです。
白とグレーの笹の葉の部分が好きです。地が濃いので逆のアクセントになっています。
葉のまわりに施された金糸や花の部分の刺繍がわかりますでしょうか。
次は、猫を図案化した帯です。この子はクリではなく、以前いた雌猫のマルです。クリと違って八頭身美人で気も強く、頭が良くて、おてんばな子でした。人が大好きで少しも物怖じしない良い子でした。この子が私の首にかじりついてずっと舐めていたという猫です。帯のお太鼓はボタンの花を背負っています。前の部分は、子猫のときのマルです。親ばかで、この帯を見ていても思い出して涙が出てきます。
おすましマルちゃん。足がすらっと長くて評判の美人でした。「ボタンが似合うかしら?」
子猫のマルです。安心しきって熟睡しています。こちらまで幸せな気分になります。足のお豆もピンクでとてもきれいでした。
次の帯は古典模様のくす玉です。金通しの帯地に染めていますので、織の帯のように見えます。
帯の太鼓の部分です。大きなくす玉です。
帯の前の部分です。
これも前の部分で、どちらか好きな方を出すことができます。
次は黒地に白い百合を染めた帯です。以前ご覧いただいたクリのピンクの着物にこの黒い帯を締めるとよく合います。
お太鼓の部分です。この帯は「三通」といって、お太鼓からたれまで模様が続いています。
前の部分です。
最後はまだ仕立てていませんが、葡萄の図案の帯です。これも金通しで、きらきら光っています。自分で締めたくて染めた帯です。
お太鼓の部分です。この帯も三通で、たれまで模様が付いています。
前の部分です。
友禅は今回が最後です。ご覧いただきありがとうございました。
投稿者 shiratori : 2006年11月26日 21:51
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コメント
お仕事とは全然違うこと、と言う意味では「趣味」なのでしょうが、私には趣味の範疇を超えているように思えます。絵心が全然ない私としては、うらやましい限りです。
友禅シリーズ拝見していたら、私も何か手にとれるものを作りたくなりました。
そう言えば、機械的に組み上げていく編み物ならできるんだった(人のデザインをなぞるだけですが)。久しぶりに何か編んでみようかなあ…
#多分、明日になったら忘れている(^^;
投稿者 misto : 2006年11月27日 00:16
椿の振袖,実物も素敵ですが,スケッチが何とも素敵ですね。柔らかそうで,そおっと扱わないと花がこぼれてしまいそうで。
笹も,彩色された葉や花も美しいし,白とグレーの葉も違う意味で美しい。どれもこれもみんな素敵です。これが全部箪笥に収まっている? 虫干しの季節なんて,きっと白鳥さんのお宅は御殿のようでしょうね。
それに,愛猫をこうした形で側においておけて,身にもつけられるなんて羨ましい。マルちゃんもクリちゃんも幸せですね。
素晴らしい作品の数々,ありがとうございました。こうなったら,やはりどれかは実際に白鳥さんが身につけてところを見ないとね。
投稿者 ひよこ : 2006年11月28日 00:21
本当に素晴らしいコレクションでした。
私がいちばん気に入ったのは、黒地に白百合の帯です。黒地の帯って、初めて見ました。とても印象的です。
それから、染めに刺繍が入ると、ぐっと豪華になりますね。
白鳥さん、本当にいい趣味をお持ちで、素敵な財産ですね。
投稿者 authenticity : 2006年11月28日 12:49
mistoさん、私は逆に編み物が苦手です。自分の好きな色でざっくりとセーターなど編めたらよいのにと思います。
ひよこさん、虫干ししていないので、たまにカビたりしててとても危ない状況です。なんとかしなくては、と思うのですが。。。
authenticityさん、そうなんです。日本刺繍は本当に美しくて、留袖などは格が上がるような気がします。
投稿者 shiratori : 2006年11月28日 13:06