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2006年12月31日
大晦日
今年も残すところあと2時間弱。皆さん,今年一年お疲れ様でした。皆さんにとって,いろいろあった一年だと思いますが,心穏やかに新年を迎えられると良いですね。
私は一年の最後の月になってこのブログを担当することになり,知らない世界が一つ開けました。このブログを整えてサポートしてくださっている方々,読んでくださっている方々,コメントをくださっている方々,このブログに関わる全ての皆さんに心から感謝します。ありがとうございました。
皆さん,どうぞ良いお年をお迎えください。写真は,近所の友人に教わった「鴨とろろ年越しそば」です。では,また来年。
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2006年12月30日
仙台銘酒 『たまご酒』
何かと忙しい年の瀬,疲れていませんか。
追い込みの仕事に大掃除,年賀状書きにお節料理の準備,追い討ちをかけるかのようなインフルエンザにノロウィルスの流行,そして忘年会。毎日無事に過ごせているのが奇跡のようです。そんな「疲れた・・・」時にお勧めしたいのが,これ,『たまご酒』です。
卵酒って,市販されているものだとは,仙台に越してくるまでついぞ知りませんでした。普通は,「風邪をひいたら卵酒飲んで暖かくして寝れば治る」というように,風邪を引いたときにうちで作って飲むものだと思っていました。そして,そんなことは雑学として知っているだけで,卵酒を実際に飲んだこともなければ,考えてみたら作り方さえも良くは知らないのでした。
ところが,仙台ではごく普通にこの『たまご酒』を売っています。この『たまご酒』,キャッチコピーは「カスタードプリンみたいな」(左)。その雰囲気をなんとかお伝えしたいと思って,「ふわん」とした感じの写真を撮ろうと苦心したのですが,なかなかうまく写りません。ビンの上のほうで分離している部分は,本当に「ふわんっ」としていて,ふるふるのプリンみたいなのです(右)。
ただし,味は決してカスタードプリンではありません。原料は日本酒に卵と砂糖を加えたもので,アルコール分は10度以上もある立派な「酒」です(左;メーカーは仙台藩御用達の老舗酒造)。しかも,相当甘い。日本酒好きで,かつ,甘いもの好きの人でなければ飲めない代物です。
でも,不思議なんです。飲むときは良く振って上澄みがないように混ぜ合わせて飲むのですが,ビンの半分だけ飲んでおいておくと,当然また分離します(右)。そして,下半分は確かにプリンの味がするんです。プリンというより,カステラの味。世の中にカステラジュースというものはないと思いますが,もしあればきっとこういう味がするはずです。
この不思議な味が恋しくなって,冬になるとたまに飲んでしまいます。1年を通して販売していますので夏でも飲めますが,やっぱり冬の暖かい部屋で冷たいのをくぴっと(少量)飲むのが美味しいような気がします。不思議なたまご酒,怖いものみたさの方はぜひどうぞ。
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2006年12月29日
仕事納め
今年も残すところあと3日,今日が仕事納めという方も多いのではないでしょうか。今年も1年お疲れさまでした。私の仕事納めは,地元東北の酒と魚で締めくくりです。
この季節,宮城は何といっても牡蠣。ノロウィルスもなんのその。生でも美味ですが,ちょっとあぶってあるのがまた美味しい。
左の写真は,知る人ぞ知る「大間(おおま)のまぐろ」。大間町は青森県の最北部,マサカリの形をした下北半島の,刃の頭の部分です(かえってわかりにくいか)。とろけるような舌触りです。右の写真は,これも珍しい,秋田県男鹿半島は「北浦の天然もずく」。地元では「クロモ」と呼んでいます。しゃきしゃきしたおいしさ。
仙台と言えばやはり笹カマ。左は店自慢の「カニ入り笹かまぼこ」。カニたっぷりの焼きたてほわほわ。右は気仙沼から,これまたフカヒレたっぷりのとろとろな「フカヒレ茶碗蒸し」。
左は,仙台では「きんき」と呼ばれる吉次。仙台っ子には超人気で,この焼き魚はお祝いごとにはかかせません。脂がのって美味しいのは3月末まで。右は,秋田は比内地方の「比内鶏のつくね鍋」。歯ごたえと旨味のある肉はもちろんのこと,鍋のおつゆが美味です。
日本全国,各地に美味しいものがありますが,東北も捨てたものではありません。寒い地域は寒い時期こそ美味しいものも目白押しです。ぜひ冬の東北へもおでかけください。
投稿者 watanabe : 22:16 | コメント (4) | トラックバック
2006年12月28日
石淵ダムと胆沢ダム
今日は現場調査で,中尊寺(岩手県)のそばにある胆沢(いさわ)ダムへ行きました。
でも,胆沢ダムの話は後にして,そのそばにある石淵(いしぶち)ダムの話から。
石淵ダムは,以前紹介した「南川ダム」や「大倉ダム」と違い,コンクリートダムではありません。石を積み上げて造るロックフィルダムという形式です。そして,この石淵ダムは,日本で初めて施工されたという貴重なロックフィルダムです。
上の写真は二つの構造物が並んでいるように見えますが,これで一つの構造物(ダム)です。奥に見える石垣のような部分がダム本体(水を堰き止めて貯めている部分;石を積み上げてできている)で,手前に見える水門のような部分(コンクリートでできている)は,ダムに貯めた水を放水する洪水吐き(こうずいばき)という部分です(写真でも,実際に放水されています)。
この石淵ダムは,「日本で初めて施工された」と書きましたが,「日本で最初に完成した」のは違うダム(岐阜県にある小渕ダム)だからです。石淵ダムは昭和21年に着工されましたが,完成するまで7年かかり,その間に小渕ダムができてしまったということです。でも,石淵ダムは,その内側(上流部分)をコンクリートで遮水した「コンクリートフェイシングフィルダム」と呼ばれる形式で,現在は4基(小渕ダム,皆瀬ダム,野反ダム,石淵ダム)しかない珍しいダムです。
下の写真は,ダム本体を下流側(水が溜まらないほう)から見たもの(左)と,洪水吐きからの水が下流に流れていくさま(右)。小さい写真でわかりにくいですが,年月を感じさせる趣のある堤体(石積み)です。
実は,この貴重な石淵ダムを見られるのもあと9年しかありません。というのは,このダムが9年後には水没してしまうからです。「ダムによって村が水没」という話は良く聞きますが,「ダム(そのもの)が水没」という話はあまり聞きません。でも,この石淵ダムは,9年後に下流に完成する胆沢(いさわ)ダムによって水没してしまう運命にあります。
というわけで,ようやく胆沢ダムの話になるわけですが,その胆沢ダムはいま1/4ができたところで,ダムの形はまだ全然見えていません。
上の写真,何が何やらわかりませんよね。完成予想図を重ねると下の写真のようになります。
なんとなくイメージが湧いたでしょうか。
写真や完成図でわかるように,この胆沢ダムは大きなダムで,完成すると東北屈指のダムとなります。
この胆沢ダムもロックフィルダムですが,石淵ダムとは異なり,すべてを石(岩石,砂利,粘土)だけで造る中央土質遮水壁型ロックフィルダムという形式です。簡単に言うと下の絵の感じ。
そして,下の写真が実際に使う材料です。
「えー,こんなんで本当に水が貯まるのー?」,というのが,私が初めてロックフィルダムの材料を見たときの率直な感想です。でも,山の中にあるダムとしては,コンクリートダムよりはずっと自然に近い姿だとは思います(悔しいけど)。石淵ダムが水没して見られなくなるのは残念ですが,胆沢ダムが完成するのも楽しみです。
投稿者 watanabe : 19:02 | コメント (4)
2006年12月27日
犬のきもち猫のきもち
人間に喜怒哀楽があるように,生物には(鉱物にも?)喜怒哀楽はあるのでしょう。難しい話はわかりませんが,うちの犬猫にも喜怒哀楽があるという話。
その1.犬のきもち。
「喜」 野原で遊びに夢中,見失った飼い主(私)を見つけて 「あっ,いた!よかった~」
「怒」 あまり怒らない犬なので,表情だけそれらしいのを。「剥がした~い」
「哀」 これから楽しいキャンプなんだけど。 「車は苦手・・・」
「楽」 散歩の途中,「風が気持ちい~い」
2.猫のきもち。
「喜」 飼い主(私)のそばでお昼寝。「極楽にゃ」
「怒」 近所の猫と喧嘩中。「近寄るにゃ!」
「哀」 猫生について考え中。「むなしいにゃ・・・」
「楽」 おひさま浴びて,「暖っかいにゃー」
以上,飼い主の勝手な解釈でした。本音を聞いてみたいものです。
投稿者 watanabe : 22:41 | コメント (4) | トラックバック
2006年12月26日
北上川
昨日は仕事で北上川の近くへ行って来ました。
仙台というと広瀬川が有名ですが,岩手県に端を発して宮城県の北部を流れ,石巻湾(仙台湾の北)に注ぐ北上川は,その雄大さ,その美しさ,その懐かしさからして,「東北の川の雄」と言って過言ではないと思っています。
下の写真は,川から少し離れた田んぼの中。空が広い。
仕事は,専門であるところのコンクリート構造物の診断だったのですが,それをごく簡単に示すと下の写真のようになります。「あっ,ひび割れ発見!」(左;矢印の箇所一帯)「幅は何mm?」(右)
いや,これでは本当に簡単過ぎて土木構造物の信頼性を落としてします恐れがあるので補足しますが,こういう簡単な調査から始まって,必要に応じて,精密な機械を使った測定や化学的な分析(コンクリートは水和反応で固まる化学物質なので)などを実施します。それと同時に,周囲の環境(気温や風雪,地盤条件,使用環境など)や構造物を建設したときの施工記録,使った材料などを調べて,ひび割れが何故入ったか,このひび割れが構造物に与える影響はいかほどか,今後どのような対策(補修)を行うべきか,などの一連の検討を行います。ですので,皆さん土木構造物は本来とても安心できるものなんです。応援よろしくお願いします。
無粋な話になりましたが,北上川は本当に「懐かしい」という感情を引き起こす川です。
空,山,森,川,岸辺の草木。
帰りは夕方になりました。川面に映る夕陽に涙が出るのは私だけでしょうか。
投稿者 watanabe : 08:16 | コメント (4) | トラックバック
2006年12月25日
「仙台四郎」よりメリークリスマス
クリスマスですね。
仙台には「仙台四郎」という福の神がいます。とてもメジャーな神様です。市民に愛されていますので,サンタさんも四郎さんになってしまいます。にもかかわらず,背中に名前が書いてあるのも愛嬌ですが。
仙台四郎さんは下の写真でわかるように,実在の人物です。
四郎さんは江戸末期に鉄砲職人の家庭に生まれ,生家は裕福だったのですが,いわゆる「智恵おくれ」だったため「しろばか(四郎馬鹿)」と呼ばれていたそうです。街を徘徊する四郎さんは,店先にほうきが立てかけてあれば勝手に店の前を掃き,ひしゃくを入れたままの水おけがあればこれまた勝手に水をまく,といった行動をとったようです。ところが,やがて四郎さんが立ち寄る店は繁盛すると噂されるようになり,「福の神」と呼ばれるようになります。でも,下心のある店には寄り付かなかったそうです。
そのため,四郎さんの置物は,自分で買ったのではご利益がないということになっています。下の二つの置物はうちの四郎さんですが,やはりどちらもいただいたものです。
仙台土産のあるお土産屋さんに行くと,必ず四郎さんはいます。絵はがき,お守り,ストラップ,ミニタオル,etc。来年の干支であるイノシシに乗っている四郎さんもいます。好き好きは分かれるところだと思いますので,特にお勧めはしません。ただ,四郎さんという愛すべき神様が仙台にはいるというお話でした。
四郎さんより,メリークリスマ~ス。
投稿者 watanabe : 23:56 | コメント (4)
2006年12月24日
クリスマスイブ
今晩はクリスマスイブ。
遠い空で,聖霊がトナカイたちに声をかけました。
トナカイたちは,静かな森を抜け,
輝く林を越え,きらめく川を渡り,
さざめくあなたの街にやってきました。気づきましたか,天からの贈り物に。
今宵,あなたに楽しい出来事が訪れますように。Happy Christmas Eve.
投稿者 watanabe : 11:03 | コメント (6) | トラックバック
2006年12月23日
「瑞鳳殿」薪能
「瑞鳳殿」は伊達政宗の霊廟です。その瑞鳳殿のあずまやで,先日9年ぶりに薪能が催されました。
正宗は能楽が好きだったそうで,今でも毎年「仙台青葉能」が5月に開催されています。でも,この「青葉能」は天気の影響を受けないよう屋内舞台での開催となっており,「薪能」としての開催は9年ぶりということでした。
演目は,「楽器の調べ」,「仕舞」(上,下左),「素謡」,「居囃子」(下右)で,いわゆる「能面」をつけて舞う「能」の演目がなかったのが残念です。でも,場所が場所だけに,篝火がだんだん輝きを増す中,楽器の音色が周囲の山(瑞鳳殿は経ヶ峯という山に建立されています)に響きながら吸い込まれていくようで,趣は十分でした。
いちばん上の写真にあるように,「瑞鳳殿」は絢爛豪華な色使いで,ミニミニ東照宮といったところです。お色直しの最中で,欄間彫刻の天女がはずされ彩色されなおしていました(左)。彩色に使われている顔料も並べられており(右),自然から採れるさまざまな色にみとれてしまいました。昔の人は,岩の中にこんな綺麗な色が隠されているのを良く見つけましたね。
瑞鳳殿に至る参道は戦火をまぬがれた藩政時代からのものという石段で(左),その周囲は樹齢380年,高さ45m,幹の周囲5.5mという杉木立(中央)が取り囲んでいます。山全体が荘厳な雰囲気。ここは地名も「霊屋下(おたまやした)」といいます(右)。私の大好きな場所のひとつです。
投稿者 watanabe : 17:12 | コメント (2)
2006年12月22日
冬至かぼちゃ
今日は冬至です。
冬至といえば「かぼちゃ」と「柚子」。ということで,柚子湯(露天風呂)。
かぼちゃも煮ました。左は私が子供の頃から食べている(たぶん)東京バージョン。甘く煮たかぼちゃに柚子をちょちょっとのっけます(柚子皮をすりおろしてもOK)。で,右が仙台へ来て初めて知った「小豆かぼちゃ」。甘く煮たかぼちゃに,さらに甘く煮た小豆をたっぷり(自分用なので控えめ。本当は,かぼちゃが見えなくなるまで)のっけます。
仙台へ越してから,冬至が近くなると,スーパーでかぼちゃの横に小豆が並べられていることが謎でした。ある時,ふと惣菜コーナーを見てびっくり。「かぼちゃに小豆がかかってる?」。近所の友人に尋ねたら,「かぼちゃに小豆をかけるのは当然」と言っていました。そうだったのかー。郷に入っては郷に従え。私もその年から冬至に限り,かぼちゃに小豆をかけることにしました。理由なんてなくて良いんです。その土地に古くから根付いていて,かつ今に至る風習というのは,きっと先祖代々「理由はわからないけれどそうした方が良い」という経験に基づいているものだと思うから。
ただ,さすがにかぼちゃも小豆も甘さ控えめ,かつ小豆の量控えめです。でも,年々違和感がなくなって,甘さ控えめは変わらないものの,小豆の量は少しずつ増えていっている気もします。今年の冬至は,皆さんも「小豆かぼちゃ」いかがですか?
投稿者 watanabe : 08:27 | コメント (2) | トラックバック
2006年12月21日
起きてても不思議
「寝姿の不思議」に続く,犬猫の不思議シリーズです。
うちの犬猫は,起きていても良く似た行動をとります。下の写真,2匹は,写真に撮られるために並んでいるのではありません。この姿勢で並んでこちらを見ていたので,驚いて写真を撮ったものです。もう少し写真の準備が早ければ,犬が上半身を起こしていたので本当に相似形だったのに惜しいことをしました(飼い主馬鹿)。それからは,すぐ手を伸ばせる位置にカメラを置いています。
そんなショットの数々。
何の相談? 昼寝する?
誰か通った? ご飯待ってる?
何を見てるの? なんとも不思議な2匹です。
投稿者 watanabe : 20:11 | コメント (4)
2006年12月20日
地上の虹
今朝の仙台は氷点下2℃でした。空気がピンとして気持ちがいい。
こんな日は,地上にたくさんの小さな虹が降りています。
ほらね。丸い虹です。七色だったり縞々だったり。
六角形の虹もあります。ステンドグラスのようだったり,ちょっと微生物の世界みたいだったり。
こうして見ると金平糖。
地上の虹の正体は,朝日に輝く霜でした。自然って本当に美しい。
投稿者 watanabe : 19:05 | コメント (2)
2006年12月19日
コンクリート工学年次大会
コンクリートエンジニアが一年に一度全国から集う大会,それが「コンクリート工学年次大会」です。毎年,主要都市を巡っており,例えば2000年に入ってからは,宮崎,札幌,つくば,京都,高知,名古屋,新潟,と続いてきました。そして,来年2007年は,1999年以来8年ぶりの仙台です。
下は,来年の仙台大会のキャッチコピー,「千代」はもちろん「せんだい」の掛け言葉です。
大会で何をするかといえば,論文報告会(約600-700件)がメインで,恒例の催し物として,特別講演会やその地域特有の見学会,最新の技術紹介,生コンセミナーなどが開催されます。また,地域や主催者(だいたいその地方の主要な大学)のアイディアにより,コンクリート写真展や,子供が作るコンクリート作品展,コンクリートカヌー競争などが行われます。ま,端的に言ってしまえば,コンクリート屋の年に一度のお祭りです。以前紹介した自作のコンクリート製の写真立てや花器,それから,「南川ダム」の写真などは,折々の作品展に出品したものです。
現金なもので,開催場所によって参加人数が大きく変動します(する気がします)。人気があるのは,札幌,仙台,京都,福岡などです。私も,6月の暑い時期(毎年この時期に開催されます)に札幌大会に参加した時は,お金を貯めて将来は札幌に移住しようと思ったくらいです(思いもかけず仙台に住むことになり感謝していますが)。
来年の仙台大会が盛り上がりますように。今日はこれから,この大会に関した委員会に出席します。身近にコンクリート屋がいらしたら(コンクリート屋でなくても興味があれば),ぜひ参加されるように一声おかけください。緑の杜と涼やかな風,美味しい海の幸山の幸が皆さんをお待ちしています。
投稿者 watanabe : 05:46 | コメント (4) | トラックバック
2006年12月18日
伊達政宗像
仙台といえば,伊達政宗公。正宗公を語ったらそれだけでこのブログが終わってしまいますので,歴史的な事柄はやめにして(歴史って,好きな人は知っている,そうでない人は興味がない),周辺のいろいろを少しずつご紹介します。まず初めは正宗像です。
正宗像は青葉城跡にある騎馬像(上)が有名ですが,そのほかにも3体あります。
仙台駅の待ち合わせのシンボルとなっている白い騎馬像(左)。仙台市博物館の裏庭にある胸像(中央)。そして,正宗の故郷,岩出山城跡にある平服姿の通称「平和像」(右)です。
青葉城址の正宗像の初代は,博物館の裏庭にある胸像でした(当時は騎馬像)。この胸像は,戦時中の金属供出命令で供出されたため,2代目として岩出山の平和像が作られました。その後,3代目である現在の騎馬像が作られたため置き換えられました。一方,初代の騎馬像は,終戦直後,塩釜市内に打棄てられていたものが奇跡的に発見されて(その際に現在の胸像姿になっていた),現在の場所(市博物館)へ移されました。
良く見ると,顔がそれぞれ違います。駅にいるのは若齢で,騎馬像と胸像は壮齢,岩出山にいるのは老齢のように見えます。場面に応じた作者の思い入れがあるのでしょうね。
仙台出張の際は,ぜひ探してみてください。
ちなみに,仙台駅と岩出山の正宗像はコンクリート(正確にはたぶんモルタル)製です。コンクリートってやっぱり造形性に富んでるなあ。
投稿者 watanabe : 19:48 | コメント (2)
2006年12月17日
仙台味噌
仙台には「仙台味噌」があります。信州や京都ほど有名ではありませんので私もこちらへ越すまでは知りませんでしたが,越してみたら老舗の仙台味噌屋が多数ありました。味噌が作れる気候の地域なんですね。ということで,私も近所の友人に味噌の仕込み方を教えてもらって作るようになりました。
まず,材料をそろえます。味噌用には,大豆,米麹,塩だけ。これに,容器消毒用の焼酎と,腐敗防止用の塩とわさびを用意します。
以下の仕込みは2月の寒い時期に行います。
まず,大豆を一晩水に漬けてふやかし(左),あくを取りながら(中央),柔らかくなるまで煮ます(右)。
煮えたら豆と煮汁に分け(左),豆だけを(中央)クッキングカッターでつぶします(右)。この時のつぶし具合が出来上がった味噌のツブツブ度になるので,好みで決めます。煮汁は,このつぶし具合の調整に使います。
一方,板状の麹はほぐしながら(左),塩と良く混ぜます(中央,右)。
つぶした豆に(左),塩と麹を混ぜたものを合わせ(中央),よく混ぜて玉にします(右)。
これを味噌玉と言います。この段階で食べると,塩味のきつい煮豆という感じですが結構おいしい。
容器を消毒し(左),空気を抜くために味噌玉を投げつけながら(中央),ならします(右)。
これを繰り返して味噌玉を全部ならし,腐敗防止のため味噌の周囲に塩を置き(左),ラップをした上から同じく腐敗防止のためのわさびを乗せます(中央)。これで完成。密閉して(右),風通しの良い日陰に寝かせます。
3ヵ月後,天地返し(文字通り,味噌の上と下とを入れ替えること)を3日間連続して行います。
3ヵ月後に開けた状態(左)。腐っていないか不安でしたが大丈夫でした。味噌が少しだけ色づいています。この段階では塩豆よりはこなれた味になっていて,若いながらも味噌という感じがします。良くかき混ぜて上下を入れ替え(中央),再び新しい塩とわさびを乗せて(右)密閉。
湿気の多い梅雨を越し,暑い夏をしのぎ,10ヶ月かけて味噌が出来上がりました。きれいに色づいています(左)。今年の味噌の完成です。昔の人が「自然」というものに感謝した気持ちがわかります。「もろキュウ」ならぬ「もろ大根人参」で(キュウリの季節ではないので)いただきます。酒がすすみますなあ。
投稿者 watanabe : 17:39 | コメント (6) | トラックバック
2006年12月16日
広瀬橋
コンクリート構造物シリーズ第二弾。
仙台と言えば「広瀬川」,そこに架かる「広瀬橋」です。この橋は,「日本初の鉄筋コンクリート橋」です(注)。
ただし,残念ながら現在の橋は3代目です。初めに架けられた橋は,下の「仙台名所絵はがき」にあるように,明治42年(1909年)に竣工しました。当時のこの橋は,車道と両側の歩道を区分したり,鉄の欄干を設置したり,さらに路面にアスファルトを塗布するなど,細部に至るまで画期的な工夫が凝らされていたそうです。確かに,絵はがきからも瀟洒な欄干がわかりますよね。
その後,昭和34年(1959年)に架け替えられ,さらにその後も改修されています。そのため,国土交通省の看板にも,正確に「日本最初の鉄筋コンクリート橋跡」と書かれています(左)。それでも,当時を偲ばせる礎石が,橋のたもとの橋姫明神社の横に据えられていました(右)。
ここは広瀬川としては下流で,4kmほどいくと名取川と合流して名取川となり(広瀬川は一級河川ですが,その意味では支流),さらに10kmほどで仙台湾にそそぎます。渇水期なので流量はあまり多くありませんが(一番下),それでも思ったより早い流れに驚きました(下左右)。青空のもとでたっぷりとした水が輝いていればもっと美しいのでしょうが,この少し翳った雰囲気も東北らしい一面で私は大好きです。
注:「日本最初の鉄筋コンクリート橋」という橋は,実はもう一箇所あります。琵琶湖疎水に架かる第三トンネル東口の橋です。どちらが最初かと言われると,広瀬橋が明治42年,琵琶湖疎水の方が明治36年なので,琵琶湖疎水の方が最初です。ただし,こちらは車は通れません。ですので,広瀬橋はたぶん「日本最初の鉄筋コンクリート道路橋」だということなのだと思います。ちなみに,「日本最初の鉄筋コンクリート鉄道橋」というのもあり,こちらは山陰線の米子-案来間に架かっている島田川橋梁です。
投稿者 watanabe : 19:00 | コメント (4) | トラックバック
2006年12月15日
クリスマス礼拝
今晩はクリスマス礼拝でした。
と言っても,私はクリスチャンではありません。たぶん,この先もクリスチャンにはならないでしょう。でも,私が非常勤講師を務めている学校はキリスト教系であるため,そういう行事がいろいろあります。せっかく身近に知らない世界を体験できる機会があるのにそれを無視するのはもったいない。良く言えば知的好奇心に促されて,今晩は礼拝に参加してきたというわけです。
ちなみに,学校での礼拝も朝10時から10時半まで毎日あるため,1時限目は朝8時半から始まります。普通よりたった30分早いだけですが,意外に打撃ものでした。
礼拝の場所は,1932年に建築されたという学内の由緒正しき『ラーハウザー記念礼拝堂』。正面にはキリストの昇天を描いた英国製のステンドグラスと,東京以北で最も古いパイプオルガンが設置されています。その筋によると「その美しさは筆舌に尽く難い」そうなのですが,そういうものに疎い(比較対象を知識としてもたない)私は「ふーん,これかー」でした。
礼拝は,かいつまんで言うと,讃美歌斉唱(左;パイプオルガン演奏),聖書朗読(中央),牧師の説教(右),と進みます。牧師(プロテスタントなので牧師,カトリックだと神父。そんなことも,この学校へ勤めるようになって初めて知りました)の今晩の説教の内容は,「神様の光には誰でも平等に照らされる。それは逆に言えば,その光からは逃れられないということである」ということでした。ふーん,そうですかー。
この後に本日のメインイベント,オラトリオ 『メサイア』 (ヘンデル作曲)がありました。
実は,オラトリオというものを知らず,調べておこうと思いながら忘れていた私は,今晩初めてオラトリオなるものを知りました。ソプラノ唱者(左写真)とバス唱者(右写真)とコーラスがいて合唱と言えば合唱ですが,オーケストラの演奏がついていて(中央写真),歌には物語性があってオペラのよう。でもオペラみたいに,綺麗な衣装を着ていたり,演技があったりするような劇ではない。何よりも,物語というのが聖書の内容で,かつ,聖書のいくつかの章節を歌詞にしていて,これでもかというくらい同じ箇所を何度も歌う。ふーん,こういうものかー。帰宅してから調べたら,「日本語では聖譚曲と呼ばれる」とあり納得しました。ちなみに今晩は,キリストが誕生して羊飼いたちが賛美する箇所。そりゃそうですよね。
とりあえず知的好奇心は満たされた一夜でした。ちなみに,賛美歌斉唱は6曲あったのですが,私の知っている賛美歌はただ1曲 『きよしこの夜』 だけでした。
投稿者 watanabe : 23:02 | コメント (3) | トラックバック
2006年12月14日
小さな幸せ
うちの庭は(いろいろ言い訳はありますが)野っ原です。
今年は暖冬気味なので,雪が雑草を覆い隠してくれるまでは,まだしばらく時間がかかりそうです。でも,こんな庭でも(いや,こんな庭だからこそ),小さな幸せが訪れていました。
♪ある~日 ♪庭の隅~
♪クローバーが~(字余り) ♪芽生えてた~
♪三つ葉と四つ葉~と~ 五つ葉がならんでた~
何かと気ぜわしい年の瀬,小さな幸せをあなたにも。
来春もまた会えるといいな。
ちなみに運んできてくれるものは,四つ葉が「愛」,五つ葉が「金」だそうです。三つ葉は?
投稿者 watanabe : 20:21 | コメント (6)
2006年12月13日
仙台銘菓 『青ざし ふうきようかん』
今日のお勧めは『萩の月』 で有名なお菓子屋さんの別作品 『青ざし ふうきようかん』 です。
和菓子は美しいですね。
この羊羹は色でわかるとおり,原料は小豆ではなく青えんどう豆です。豆の風味が豊かなので,豆の苦手な方には残念ながら喜ばれないかも知れません。
さて,この丸い羊羹はこんな筒に入っています。食べるには,まずフタを開けて筒の下側を押します。
お尻を押されて羊羹の頭が出てきました。すかさず筒にセットされている糸を巻きつけて,すぱっ。
切れました。断面もきれいです。いくつでも食べたいだけ切りましょう。ただし,この羊羹の長さは10cmしかありませんから,そのつもりで(直径は3cm)。
ここまでのやり方は,親切なことに筒の裏にその方法が書いてあります。使った糸は,筒に巻きつけてシールで止めて保存しておきましょう(これは我流)。
この羊羹,実は先端のちょこっとの部分が美味しいのです。先端部分のほんの2mmくらいだけは,品質保持のため砂糖の分量が多くなっています。左の写真で,羊羹の右側の色がほんのちょっぴり白くなっているのがわかりますか?ここのサクサクした食感が好きなんです。
できれば,右の写真のように筒に楊枝もつけてくれると(勝手に作ってみました),いつでもどこでも気軽に食べられる「携帯羊羹」になって嬉しいのですが。ただし,「携帯羊羹」にどれだけの需要があるかはわかりません。
誰にもあげない一人用羊羹ですが,ちょっと食べてはしまって(保存して)おける,というのが嬉しいのでした。
投稿者 watanabe : 22:18 | コメント (8) | トラックバック
2006年12月12日
『SENDAI光のページェント』開幕
『SENDAI光のページェント』が今日から始まりました。
杜の都のシンボルであるケヤキ並木のライトアップです。
東京の『ミレナリオ』や(休止中ですが)神戸の『ルミナリエ』を見慣れた眼には物足りないと思いますが,それでも仙台っ子には自慢の冬の風物詩です。
上左は,定禅寺通りにある有名な彫刻 『夏の思い出』(エミリオ・グレコ作)の前。上右は,仙台唯一の繁華街「国分町通り」との交差点。
下の写真は,毎年デザインの変わるシンボルツリー。左はおととし,右は去年。
ケヤキ並木だけでなく,タクシーもビルも電飾キラキラです。
この時期になれば当然クリスマス気分が盛り上がっていることもあって,このページェントを見ながら食事できるレストランやバーは既に予約がいっぱいだとか。そして,ここ数年,人気急上昇中なのが「ナイトフライト」。ページェントをはじめ,仙台の夜景をセスナに乗って市内上空から見ようというもの。確かに,光のあふれている東京と違い,少ない光だからこそ闇に浮かびあがるその光が貴重で美しいかも知れませんね。もちろん,乗ったことはありませんが,想像として。
ページェント全体としては他にも企画がいろいろあって,一度明かりを落として再び点灯する「スターライト・ウィンク」(毎日,午後6時,7時,8時の3回)とか,定禅寺通りにある市民会館でのクリスマスコンサートとか,サンタの格好をして大勢で通りを歩く「サンタの森の物語」とか,在仙の高校生・専門学生・大学生を対象とした「サポーティングキャストボランティア」とか。仙台という,決して大都会ではなく,さりとてもう田舎でもない,というある意味中途半端な都市だからこそ盛り上がるイベントなのかも知れません。
投稿者 watanabe : 20:47 | コメント (6) | トラックバック
2006年12月11日
寝姿の不思議
犬と猫を1匹ずつ飼っています。
どちらも,仔犬仔猫の頃,里親募集でもらってきました。
どちらも,雑種,オス,去勢済み,4歳。
どちらも,同じ境遇,同じ性別,同じ年齢,同じ生活(飼われ方)です。
でも,だからと言って,寝姿がこんなに似るものでしょうか。
性格や好みの違い,いやそもそも,犬と猫の違いはどうなっているのでしょうか。
謎です。
投稿者 watanabe : 20:24 | コメント (8) | トラックバック
2006年12月10日
グラッパ
昨日の日本酒に酒づいて(勢いづいて),今日もアルコールの話題です。
今日は「グラッパ」。
好きな酒(アルコール)はたくさんありますが,ベスト5に入る一つです。簡単に言えば,ワインを造るときに生じるブドウの搾りかすを蒸留したもの。味は,はるか向こうの方にブドウがいる,クセのないスピリッツ,とでもいうのでしょうか。
グラッパは,常温で飲むのが正式らしいのですが,私はうーんと冷たくして飲むのが好きです。上の写真で,鋭い方は気づいたと思いますが,一番左のボトルは曇ってますよね。写真を撮るために,冷凍庫(冷蔵庫ではない)から出してきたからです。で,これまた左の写真のように,冷凍庫で冷やしてあるショットグラスに注いで,グラスがくちびるにくっついちゃいそうなくらい冷たいうちに,きゅっと飲みます。
グラッパはブドウの搾りかすから造るので,当然,ブドウの種類によってグラッパの種類も変わります。一番上の写真で,左の曇っているボトルはベルディッキオ,中央はカベルネ・ソービニヨン,右は数種のブレンドです。もちろん,味も違う,と言いたいところですが,これが実のところ良くわかりません。アルコール度数は38-40度。私の場合,「味」で飲むというより,「気持ち」で飲む,という時に飲みたくなるお酒です。
ちなみに,グラッパに良く似たお酒にスイスのシュナップスというものがあります。シュナップスは「火の酒」という意味で,さくらんぼから造られるキルシュが有名です。他に,洋ナシやリンゴやプルーンからも造られ,ブドウからも造られるので話がややこしくなります。
グラッパもシュナップスも,良い香りとクセのない飲み口と,そして美しいボトルが特徴です。たとえば,こんなブドウ型(左)のグラッパや,ビンの中に原料の果物のオブジェが入ったシュナップス(右)。果物の形がわかりにくいですが,左から,リンゴ(色つき),洋ナシ,ブドウ,さくらんぼ,プルーン,プラム(色つき)です。どれもその果物の味と香りがして,どれが一番良いと言いがたい。どれも好きです。
ETTER社のシュナップスは,ボトルinボトルはもちろんのこと,外箱も素敵です。
実を言うと,グラッパに限らずスピリッツと呼ばれるものはみんな好きです(ベスト5に入るのは,全部まとめてスピリッツとして)。シュナップス,ジン,ズブロッカ,コルン,パスティス,それに,ラム,テキーラ。
「味よりも気持ちで飲みたい時に飲む」と言いましたが,本当に「スピリッツ(精神)」とは良く言ったものです。
投稿者 watanabe : 16:07 | コメント (10)
2006年12月09日
宮城の地酒
自己紹介のとき,好きなものの最初に「酒」を挙げたくらいですから,この話題ははずせません。今日はお菓子でなくて日本酒の話。
宮城には,県内に33の蔵元があります。下の写真は,全蔵元の代表銘柄です。
以下,手元の日本酒ラベルコレクションのうちから,いくつかご紹介します。
(コンクリート作品と違って,これは軽くて場所も取らないコレクションですが,金が減って体重が増えるコレクションでもあります)
まず,全国区でも知られている『一の蔵』。
左のラベルは,特別限定品の大吟醸。写真ではわかりにくいのですが,「大吟醸」の文字はいかにも大吟醸らしく金箔で押されています。すっきりした味。右のラベルは特別純米原酒。アルコール分が16-17度と,普通の日本酒(アルコール分15-16度)より少し高めで,その分重々しい感じがします。【杜氏の晩酌】というネーミング,その下の小さな「隠し酒」という朱印にやられちゃいましたが,思ったほどのコクは感じられませんでした。
次は,同じく全国区の『浦霞』。左のラベルは純米酒で,酒名のもととなった源実朝の詠んだ歌(塩釜の浦の松風霞むなり・・・)が書かれています。中央のラベルは純米吟醸で「禅」という名前がついています。この禅僧の絵は有名です。左の純米酒よりランクは上で,すっきりしていて香りも華やかです。右のラベルは純米吟醸の生酒。「春酣(はるたけなわ)」の名のとおり,アルコール分は17-18度と高めのわりにほのぼのとした酔い心地です。
いかにも宮城らしい銘柄もいくつか。
左のラベル『貞山公』(ていざんこう)は,伊達正宗公のおくり名。『松島の月』,『栗駒山』は,言わずと知れた宮城の美しい自然です。
『日高見』のラベルはトリッキー。何が違うのか一瞬わかりませんが,ラベルの右上にある印が違います。左のラベルは赤いひょうたんに「山田穂」と書かれてあり,右のラベルは緑の四角に「雄町」と書かれています。これは,使われている酒米の種類で,左は山田穂,右は雄町米です。「山田穂」は酒米の王といわれる「山田錦」の母で,どちらも華やかで軽やかな飲み口なのに比べ,雄町はしっかりした味が特徴です。
この他にも,『伯楽星』,『乾坤一』,『綿屋』など好きな酒はたくさんあるのですが,きりが無いのでまたいつか。
投稿者 watanabe : 20:26 | コメント (9)
2006年12月08日
My Own 『メガスター』
星空です。
ああ,いいなあ。本物の星空はもちろん,プラネタリウムも大好きです。
というわけで,上の写真は,『大人の科学』マガジン9月号の付録「究極のピンホール式プラネタリウム」のキットを組み立てて作った,自分用プラネタリウムです。
『メガスター』は,プラネタリウム大好きの大平貴之さんという人が作った,ものすごく多い数の星を投影できるスーパープラネタリウムの名前です。「ものすごく多い数」というのは具体的にいくつかと言うと,「メガ」というとおり当然100万個以上なのですが,それは初期の機械の話で今はその数500万個だそうです。普通のプラネタリウムの投影数は数千から2万個だそうですから,メガスターは文字通り桁違いの機械というわけです。
そして一番面白いのは,人間の目が見える星の数は,メガスターが映し出す500万個のうちの1万個弱(空気のきれいな山地で肉眼で見える星の数が約6000個)なのだそうです。つまり,残りの499万個の星は,投影はされているけれど星の明るさが暗いため実際は見えていないのです。では,その499万個の星に何の意味があるのでしょうか。見えないならなくても同じ? いいえ,メガスターのプラネタリウムは,肉眼(=黒目)で見えない星々が,白目で見えるというか,肌で感じるというか,脳に直接光が届くというか,etc. 説明不能です。
というすごいメガスターとは雲泥の差ですが,でもこの自分用プラネタリウムは,これはこれで18000個の星が投影できるという優れものです。キットを組み立てた出来上がりはこんな感じ(左)。太陽光線を透かすと,ピンホールが開いているのがわかります。これを暗闇で投影するとこんな感じ(右)。画面左上にあるオリオン座がわかりますか。
せっかくの自分用ですから,ライトに色もつけてみました。青,紫,緑,黄です。予想どおり青がきれいですが,緑もなかなかです。
仙台に越すことを決めたとき,密かに天の川を楽しみにしていたのですが,日常的に天の川が見えるほど暗い空(=田舎)ではありませんでした。仙台で数少ない残念のうちの一つです。
投稿者 watanabe : 22:06 | コメント (10) | トラックバック
2006年12月07日
仙台銘菓 『九重』
『霜ばしら』に続いて,仙台銘菓第二弾 『九重』 です。
これは何と言ったら良いのでしょう。
飴ではなく,もちろんお煎餅でもなく。
もち米から作られている,カリカリした甘い粒々です。
写真では大きさがわかりにくいですが,一つの粒は5mmくらい。
この粒々の楽しさは,カリカリ食べるだけでなく,飲み物にもできるところです。
白湯で温かくも良し,冷水で冷たくも良し,牛乳で元気満点でも良し,焼酎でやる気満々でも良し。
今日は冷水にしました(これが一番好き)。
粒々をコップに入れ冷水を注いだところ(左)。横から見るとほとんどの粒は沈んでいます(右)。
しばらくするといくつかが浮いてきて(左),甘ーい感じもしてきましたね(右)。
粒々はどんどん浮いてきて(左),下にはぶどう液ができてきています(右)。
上から見るとこんな感じ(左)。ぐるぐるっとかき回して出来上がり(右)。
上に浮いている粒々はまだカリカリしています。
ちなみに,今までの写真は私の一番好きな「ぶどう」味で,この他に「ゆず」味(これが本家本元)と「ひき茶」(いわゆる抹茶)味とがあります。ぶどうとゆずにはそれぞれ果汁が,ひき茶には抹茶が入っていて,どれも味はもちろん,良い香りがするのが特徴です。
『霜ばしら』 とは異なり,通年商品のうえ仙台駅ビルの地下でも扱っていますから入手は簡単です。写真の小袋(15g)以外に,中袋(120g),大袋(250g)もあります。甘党の皆さん,いかがですか。
投稿者 watanabe : 21:49 | コメント (12)
2006年12月06日
干し柿
延ばし延ばしにしていた干し柿作りをようやく終えました。
クリスマス気分の庄内柿。
去年は数十個いただいて苦労して作ったけど,今年は楽しんで食べる分だけ。
たったこれだけ。しかも洗濯バサミ。軒下もあんまり情緒ないなあ。
でも,あとは寒さとお日様と時間が美味しくしてくれます。数週間後が楽しみです。
ちなみに,去年は富有柿(甘柿)も干してみましたが,文字通り「干からびた柿」になっただけで,ちっとも美味しくありませんでした。もともと,柿(甘柿,渋柿とも)が渋いのは果肉に含まれているタンニンという成分が原因で,タンニンが果実に溶けていると渋みを感じるそうです。ですので,このタンニンを不溶化すれば良く,その方法の一つが干すことです(他に,アルコール(焼酎やブランデー)や炭酸ガス(ドライアイス)とともに密封しておく方法もあります)。干し柿は干すことで水分を抜き,そのタンニンを固めて不溶化します。一方,甘柿にもタンニンは含まれていますが,成熟とともに果実内にアルコールなどの物質が発生してタンニンが自然と不溶化するそうです。ですから,甘柿を干すと本当に水分が抜けるだけなのでした。甘柿を干す前に調べれば良いものを,「歩きながら考える」タイプというのはこんなものです。もちろん,干からびた甘柿も完食しました。
投稿者 watanabe : 23:59 | コメント (6) | トラックバック
2006年12月05日
仙台銘菓「霜ばしら」
おとといの初雪は解けて,今日はまた庭の土が顔を出していました。残念。でも,今日は霜柱が朝日に輝いていました。
そこで,ふと思い出したのが仙台銘菓「霜ばしら」。飴です。綺麗ですよね。芸術品です。
見た目はさらし飴みたいですが,食感はとても軽く「サクサク」を通り越して「シュワシュワ」といった感じ。当然,この食感を生み出す断面も繊細で,下左の写真のように,「円筒に穴が開いている」ではなく「薄い紙を丸めてある」状態です。あまりに繊細で壊れやすいので,缶の中に落雁粉が充填され,その中にぎっしりと詰められています。下右の写真は,落雁粉を少し取り出したところ。
仙台銘菓というと他のものが有名ですが,これは私の一押しです。もちろん,取り出した落雁粉も食べられます。弱火で熱して砂糖を加え(そのままでは甘くない),自家製落雁を作れるという楽しさのおまけつき。仙台出張の折はぜひご賞味ください。ただし,冬期限定品なので4月までにどうぞ。
投稿者 watanabe : 20:04 | コメント (10)
2006年12月04日
コンクリートは美しい
コンクリート屋の私としては,何とかしてコンクリートの地位を高めたいと日々願っています。コンクリートは安価で丈夫で造形性に優れており,しかも自然界の材料(石灰石,粘土,砂利,砂など)を使っている自然物であるにもかかわらず,いかんせん評判が悪い。
ということで,コンクリートの良さをアピールしようと思い,とりあえず近所のダムを2つ紹介することにしました。
左の写真は,南川ダムです。仙台市の少し北に位置しています。ダム軸がほぼ中央で折れ曲がっているのが特徴で,一見,アーチ式ダムに見える重力式ダムです。カラーで撮った写真ですが,色のない季節の雪景色に溶け込んでいて何とも優しい風情だと思いませんか。
右の写真は大倉ダムです。仙台市内の西に位置しています。こちらは正真正銘のアーチ式ダムです。しかも,マルチプルアーチという非常に珍しい形式。日本にマルチプルアーチ式ダムは2つしかなく,その1つがこの大倉ダムです。ただし,大倉ダムのアーチは2連(そのためダブルアーチとも呼ばれる)なのに対し,もう一つのマルチプルアーチ式ダムである豊年池ダム(香川県三豊郡)はアーチが5連で,造形美からするとそちらには負けます。でも,豊年池ダムは石積みですが,大倉ダムはコンクリート造なので,私の軍配は大倉ダムに上がってます。
大倉ダムを下流側(水が溜まらないほう)から見たところです。画角が広すぎてカメラのファインダーに収まらなかったため,2枚の写真を中央でついであります。中央部に少し違和感があるのはそのためですが,左右に広がるアーチが鳥の翼みたいで素敵です。
これはおまけ。「造形性に優れる」というコンクリートの特徴を活かした作品の数々です。
私が自作したのは,中央にある写真立て2枚,右奥の花瓶(黄色いドライフラワーが挿してある),右手前の花器(バラが挿してある),中央手前のくじらの箸置き,小さな二つのボール(手の中で転がして遊ぶ)です。
2羽のウサギのうち,手前のうずくまっているのは某セメント会社の方からいただきました。右奥の笑っているのは,一目ぼれして購入した市販品。
左奥のR2D2は転職祝いにいただきました。たぶん,世界でただ一つ。こんなものを転職祝いにくださる方も,それがものすごく嬉しい私も,たぶん世界で少数派。
その手前のコンクリート琴(木琴鉄琴ならぬ)は,学園祭のときコンクリート研究室の学生から言い値の500円で買ったもの。お互いに得したと思った有難い一品。
手前中央の小さな小さな消波ブロックは,本物の消波ブロックを製作している会社からいただいたもので,今は作っていない貴重なものです(本物の消波ブロックは今でも作っています)。
私の大切なMy Favorite Thingsです。
投稿者 watanabe : 20:31 | コメント (5)
2006年12月03日
初雪
今日は初雪が降りました。
寒くても,道路が凍って危なくても,この年齢になっても,やっぱり雪は嬉しい。しかも,初雪は格別です。
上の写真は,凍ったウッドデッキの上に積もる雪片。凍った模様も綺麗です。
雪の結晶(左)と歩く人(右;そう見えるのは私だけ?)。
自然の作る美。名前も知らない道端の草が芸術品になっていました。
投稿者 watanabe : 16:50 | コメント (8)
2006年12月02日
トールペイント初体験
トールペイントを趣味にしている近所の友人が体験教室を開いてくれるというので,仲良し集団で教わりに行って来ました。「要は,木の板にアクリル絵の具で絵を描くだけ」と,言うは易く行うは難し。筆を使う技法がたくさんありました。それでも土曜の午後,わいわい言っているうちに,とにもかくにも完成。以下,出来上がるまでの長い道のり。
まず,鉛筆で下絵を描きます(左)。次に,絵の具で雪の丘を描きます(右)。
手前のヒイラギの葉っぱのシャドウ(左)とハイライト(右)を塗る。
葉っぱのアウトライン描き(左)と実の色塗り(右)。
実のシャドウ&ハイライト塗り(左)とつる描き(右)。
丘の上のもみの木(左)と降る雪(右)。ついでにお星様に顔も描きました。
最後に,キラキラパウダーをふりかけて,ニスをスプレーして完成。
ここまでで3時間。
本当は,下絵を描くまでに,板の荒磨き,細磨き,下地剤塗り,ベース塗り,という作業があるのですが,それは素人の私たちの作業時間短縮のために,先生である友人がやっておいてくれたのでした。感謝。
ああ,楽しかった!
投稿者 watanabe : 20:02 | コメント (2)
2006年12月01日
はじめまして
はじめまして。ひよこです。
ファンだった白鳥さんの担当が終わり,ついに私の番が来てしまいました。
白鳥さんのような情感あふれる内容は望むべくもありませんが,仙台在住の地利を生かして,都会では味わいにくい「ゆる~い時間」をお届けしたいと思っています。年末年始の忙しい時期ですが,今日から来年1月末までの2ヶ月間よろしくお願いします。
簡単な自己紹介を。
† 1964年生まれ。東京オリンピック開催のこの年生まれの子は当時は「オリン子ちゃん」と呼ばれてました。
† 電力コンサル,ゼネコン,公的機関研究所の勤務を経て,現在,建設コンサル勤務と地元大学の非常勤講師。2足のわらじと言いたいが,両方あわせてようやく1足というところ。
† 生涯一コンクリート屋を目指して,20年目を緩歩中。
† 就学,就職,結婚,単身赴任,転職などを機に,新宿,杉並,中野,立川,横須賀と移り住み,ただいま仙台在住5年目。
† 性格は出たとこ勝負型。計画性はなく,歩きながら考えるタイプ。
† 好きなものは,酒,肴,知らない土地,空,山,草花,鳥,犬猫,バイク,本,etc.。
上の写真は,先日,仙台地方にかかった虹です。良く見ると,ダブルでかかっているのですがわかりますか。普通の虹(主虹;写真右側)は水滴内で反射した光によって起こりますが,主虹の外側にかかる副虹(写真左側)は,水滴内で2回反射した光によって起こるので,主虹と色の順が反対(外側が青)なのが特徴です。
左の写真は,虹のふもとのアップです。背後の山より虹が手前にあるのが不思議です。たどり着けそうですよね。