2006年12月23日
「瑞鳳殿」薪能
「瑞鳳殿」は伊達政宗の霊廟です。その瑞鳳殿のあずまやで,先日9年ぶりに薪能が催されました。
正宗は能楽が好きだったそうで,今でも毎年「仙台青葉能」が5月に開催されています。でも,この「青葉能」は天気の影響を受けないよう屋内舞台での開催となっており,「薪能」としての開催は9年ぶりということでした。
演目は,「楽器の調べ」,「仕舞」(上,下左),「素謡」,「居囃子」(下右)で,いわゆる「能面」をつけて舞う「能」の演目がなかったのが残念です。でも,場所が場所だけに,篝火がだんだん輝きを増す中,楽器の音色が周囲の山(瑞鳳殿は経ヶ峯という山に建立されています)に響きながら吸い込まれていくようで,趣は十分でした。
いちばん上の写真にあるように,「瑞鳳殿」は絢爛豪華な色使いで,ミニミニ東照宮といったところです。お色直しの最中で,欄間彫刻の天女がはずされ彩色されなおしていました(左)。彩色に使われている顔料も並べられており(右),自然から採れるさまざまな色にみとれてしまいました。昔の人は,岩の中にこんな綺麗な色が隠されているのを良く見つけましたね。
瑞鳳殿に至る参道は戦火をまぬがれた藩政時代からのものという石段で(左),その周囲は樹齢380年,高さ45m,幹の周囲5.5mという杉木立(中央)が取り囲んでいます。山全体が荘厳な雰囲気。ここは地名も「霊屋下(おたまやした)」といいます(右)。私の大好きな場所のひとつです。
投稿者 watanabe : 2006年12月23日 17:12
コメント
本当に、よくきれいな色を見つけたものですよね。顔料だけでなく、貝や植物からはきれいな染料ができますもんね。自然のものなので、品の良い色ですよね。瑞鳳殿は行ったことがあるような気がします。そんな歴史的な建築物の中で薪能なんて、贅沢ですよね。私は薪能を見たことがないので、一度見てみたいと思います。でも、冬は寒そうですね。
投稿者 shiratori : 2006年12月24日 19:43
顔料にかけては白鳥さんには叶いません。でも,自然の色って,鮮やかであっても毒々しさがなかったりして,総体的に優しい気がします。
薪能は,確かに今年は暖かいから良いですけど,寒い中ではきついですよね。雪が積もる中というのも幻想的ではありますが,現実的ではないかも知れませんね~。
投稿者 ひよこ : 2006年12月27日 20:56