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2007年01月03日
三日とろろ
正月三日は「三日とろろ」の日です。
主に東北地方の正月行事と聞きましたが,南東北(宮城,山形,福島),北関東(茨城,栃木,群馬),濃尾地域(岐阜恵北,尾張など)あたりで今も残る風習のようです。年末年始に疲れた胃腸の調子を整えるという意味が大きいようですが,それだけでなく,この日にとろろを食べると,一年中風邪を引かない,一年を無病息災で過ごせる,長生きをする,などの言い伝えがあるそうです。
その地域によって若干の違いがあり,例えば,食べる日は,福島では3日の朝,栃木では3日の夜,尾張や岐阜では2日の朝,と微妙にずれています。また,食べるとろろも,とろろかけご飯が良い(ご飯をかき込むように,かき込むような収入を願う;岐阜恵北)とか,とろろ汁が正統とか,そばにかけてもすまし汁にしてもOKとか,こちらも地域によって微妙な温度差を感じます。うちでは特別なこだわりはないので,飲み疲れた胃のためすまし汁(上の写真)を作りました。
お正月から悲しい話ですみませんが,「三日とろろ」で一番有名な話は,薄倖のマラソンランナー円谷幸吉(福島県須賀川地方出身)の「父上様,母上様,三日とろろ美味しうございました。」という最後の手紙ではないでしょうか。「三日とろろ」という単語を,私は単に「三日に食べたとろろ」と解していましたが,この風習を知ってからは,国家的使命を担った息子の健康を祈った親の心だったのだと切ない気持ちになりました。
さて悲しい話はさておき,青森県は,長芋の出荷量全国一を誇ります。冬場は保存がきくので,うちでもたくさん買っておがくずに埋めておきます(下の写真)。保存食があると,何だか豊かな気持ちになれますね。サクサクした軽い食感が好きなのと,消化も良いそうなので,じゃがいもの代わりにグラタンにしたり,大根の代わりに風呂吹きにしたりします。
そろそろお正月休みも終わりに近づいてきました。体調を整えて,元気に仕事を再開したいですね。
投稿者 watanabe : 2007年01月03日 19:02
コメント
三日とろろとは、はじめて聞きました。しかもそれにまつわるお話やいろいろな食べ方があるなんて、びっくりです。
とろろかけご飯はそのままでも、おだしや卵と混ぜてもおいしいですよね。なまもしゃきしゃきして好きです。グラタンはとり~りとしたチーズと合うかもしれませんね。風呂吹きとろろはちょっと想像がつきません。
私は明日から会社です。
お正月休みって意外と短いんですよね。もっとやろうとしたことがあったのですが...明日から頑張ろうっと。
投稿者 shiratori : 2007年01月03日 22:46
白鳥さん,グラタンお勧めですよ。「風呂吹き長芋」は大根と同じように,下茹でした長芋(厚さ5cmくらい)をダシ汁で煮て味を含ませ,別に作った鶏肉味噌を乗せて食べます。ほっこりして,食感は百合根みたいな感じです。
お正月休みって,やることが多くて実は休んだ気があまりしませんよね。私も読もうと思っていた本がたくさん(5冊)あったのですが,1冊で終わってしまいました。あーあ。
投稿者 ひよこ : 2007年01月04日 18:37
(今頃、コメントで恐縮です)
昨年、とろろグラタン食べました! メニューには、ただ、「ヘルシーグラタン」としか書かれていなくて、試したところ、どうもホワイトソースの食感が普通と違う。微妙なとろみが...あれは、とろろに違いない。ホワイトソースの小麦粉の代わりに、おろしとろろでのばしてあったようでした。確かに、ヘルシーだ。でも、気づいてしまうと、何か騙されたような気がしました。
投稿者 authenticity : 2007年01月06日 21:54
authenticityさん,「騙されたような気」でしたか? 確かに「ヘルシー」としか書いていないのはずるいですよね。でも,たぶんカロリーも低いでしょうし,消化も良いはずだし,そんなところで堪忍してください。わかって食べればまた美味しいとか???
投稿者 ひよこ : 2007年01月07日 16:44