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2007年01月06日

燗酒

新年会は燗酒を飲みに行きました。
もちろん,どこの店に行っても燗酒はあるでしょうが,ここは,お燗用の器械が目の前にあって,自分で好きな温度につけられるというのが楽しい店です。

お燗用の器械はこんな形(左;テーブル席用)。カウンターに座ると,目の前にこの器械が埋めてあります(右の写真の左隅)。

お燗器.JPG

カウンター.JPG


お燗用のお酒の入れ物は,錫(すず)製のちろり(左)。こんな感じにちゃぽんと入れます(右)。お燗用器械の中は温度管理されたお湯です。

錫ちろり.JPG

お燗.JPG

ちろりには温度計(酒温計)がさしてあって,中に入っているお酒の温度がわかる仕組みになっています(左;今は24℃)。温度によってこんなに呼び方が変わる日本酒(右)。日本語って,こういうところが繊細ですね。

どの温度で飲むかは個人の好き好きです。でも,味を確かめるために(どの温度が一番おいしいか)温度を少しずつ変えながら飲んでいると1合なんてあっという間で,ここに来ると飲みすぎるのが難点です。

酒温度計.JPG

お燗温度のみ.JPG

最後に,宮城ならではの酒と肴をご紹介します(とは言ったものの,宮城に限ったものではなく,東北から北陸あたりにかけて同じかも知れません)。

左は「もっきり」と呼ばれる,いわゆる「コップ酒」です。ただ,コップ酒の場合,下に皿がついたりつかなかったりしますが,こちらで「もっきり」と言えば,グラスを皿の上に乗せて,必ずグラスから皿にあふれるくらい酒を注ぎます。本来の言葉は「盛り切り」だったようで,茶碗一杯限定の料理や飲み物のことを意味していたようです。

右は「ばくらい」という名前の珍味。ホヤの身(三陸名産)とコノワタ(なまこの腸;三河名産)を合わせた塩辛です。写真は,少し凍っている状態(白いのはみじん葱)。このままシャリシャリ食べても,すっかり融けたのをトュルトュル食べても,どちらも抜群に美味しい。ただし,好きな人はものすごく好き,ダメな人はとことんダメ,という代物でもあります。ちなみに「ばくらい」という名前は,ホヤの形が機雷に似ているところから爆発をイメージしてつけられたそうです。

「もっきり」に「ばくらい」。仙台に来た時にはぜひぜひお試しあれ。

もっきり.JPG

凍ばくらい.JPG


投稿者 watanabe : 2007年01月06日 20:30

コメント

とうとう出ましたね。「ばくらい」新幹線で読める雑誌にも載っていました。「シャリシャリ」に「チュルチュル」じゃなくて「トュルトュル」ですね。食べてみたいです。
温度計の付いてるチロリも初めてみました。カワユイですね。自分でお燗できるというのも初めて聞きました。楽しそうで羨ましいなぁ。仙台はスゴイところだ!と思ってしまいました。それともこんなお見せを見つけるひよこさんがすごいのかな?

投稿者 shiratori : 2007年01月06日 23:34

一回だけお燗の道具があるお店で飲みましたが、こんなに繊細な温度コントロールではなかったです。より美味しく飲もうという気持ちがいい気分にさせてくれるのでしょうね。現役時代に日本製紙(当時大昭和製紙)の岩沼工場に何ヶ月も通いました。廃水処理装置の受注が決まり、石巻に何回か宿泊したとき、ホヤを初めて食べましたが一緒に行った男性は食べられなくて私が1個食べ、美味しかったことを記憶しています。ホヤも新鮮だと本当に日本酒に合いますね。

投稿者 秋桜 : 2007年01月07日 12:52

白鳥さん,「ばくらい」の味を伝えるは難しいですね。ぜひ食べてみてください。温度計のついたちろりは私も欲しい気がするのですが,それで自宅でどうやって使うの?と考えると,やはり設備の整った場所(=店)で楽しむのが良いようです。

投稿者 ひよこ : 2007年01月07日 16:50

秋桜さん,食べ物の話ばかりで恐縮しながら書いていますが,ホヤに賛成票を投じていただいて嬉しいです。本当に,ホヤも新鮮だと瓶詰めのものや酢の物とは全く違う味がしますよね。まして石巻は,仙台よりも魚が新鮮ですから,きっと美味しかったことでしょう。

投稿者 ひよこ : 2007年01月07日 16:53