【活動報告】女性技術士の会シンポジウム2025 「サステイナブルのその先に -都市緑地の新たな試み-」

  • 日時:2025年10月18日(土) 14:00-16:00
  • 場所:東京都千代田区九段北4丁目3番26号 株式会社ヴォンエルフ 及び on-line
  • 活動形態:主催
  • 参加者:23名(講師2名、会員14名、一般7名)
  • 参加費:一般参加者︓1,000 円 ・ 女性技術士の会 会員︓無料

経緯:「都市緑地」のあり方・捉え方に光を当て、環境向上要素としての「緑地」の存在意義にとどまらず、「緑地」を取り巻く一歩進んだ先進的な考え方を、お二人の専門家に紹介していただく機会を得た。

拡散的思考と収束的思考のバランスによる「集団的創造」は、組織において新たな価値を生み出す際に役立つことを期待した。また、現状維持・持続可能の「サステイナブル」から、積極的回復・再生可能の「リジェネラティブ」への動きが活性化してきている現在、未来への投資としての「リジェネラティブ志向」は、どのような場においてもプラスの乗数効果を生むと期待されている。

今回講演のテーマが、活動・ビジネスに新しい視点を芽生えさせ、市民生活をより活力あるものへと進めるための一助となるよう企画した。

 タイムスケジュール:
14:00-14:05  開会にあたり(司会)
14:05-14:10  開会挨拶(宮地理事長)

14:10-14:40  講演-1 「公共空間における創造的植栽管理」
講師︓ 株式会社URリンケージ都市整備本部都市環境室 担当部長 髙橋和嗣 氏

14:40-15:10  講演-2 「リジェネラティブモデルを考える」
講師︓  株式会社ヴォンエルフ 代表取締役兼 CEO平松宏城 氏

15:10-15:30  対談 「サステイナブルの先をめざす」 髙橋和嗣氏+平松宏城氏
15:30-15:50  質疑応答
15:50-16:00  記念撮影、感想記入、閉会挨拶

16:20-18:00 懇親会

内容:
1. 髙橋氏の講演内容
公園緑地の役割
・環境保全、レクリエーション、防災、景観形成
公共植栽地の現状課題
・樹木の倒木や落枝のリスクの増大
・樹木の肥大化・高密化による景観の質低下
・背景は「自治体の財政難」、「職員不足」、「管理計画の不在」
創造的植栽管理による課題解決
・「ウォークスルー」手法の導入
・集団的創造力に期待
・樹木単体でなく植栽地を空間的に管理
創造的植栽管理の効果
・問題点改善だけではなく『植栽地の魅力が高まる』
・関係者の関与で『公園の個性が高まる』
・中長期的にトータル『管理コストを抑制する』
最終目標
・集団的創造力による持続可能な管理の価値創出

2. 平松氏の講演内容
LEEDの概要
・世界的なグリーンビルディング評価制度
・目的:今日的テーマに即した都市更新
・背景予測:2050年には世界人口の70%が200都市に集中、世界経済の91%が都市に集中、
高齢化率:65歳以上が60%
活用事例
・ポートランドで制度設計されたLEED ND(まちづくり版):
現行の評価は気候対策(脱炭素、レジリエンス)、自然、クオリティオブライフ
・Amazon HQ2などのテクノロジー関連企業は人材獲得の面からも生活しやすく
働きやすい街にサステナブルでなオフィスを作るのがトレンド
・LEEDプラチナ:脱炭素、系統電力の再エネ化と歩調を併せてオール電化ビル建設が主流に。
・プロジェクトのサステナビリティを高めることで優遇金利の適用を受けられる
グリーンファイナンスの利用価値
課題
・LEED/WELL取得の個人メリットは高断熱化による温度変化減、それによる健康増進(血圧低下や循環器系疾病減)、水光熱費削減、良好な温熱環境による快適性向上、ウォーカブルな空間での運動促進による健康増進など数多くあるも、日本では本質的な価値を発信できていないのが課題。

3. パネルディスカッション
主な論点
・市民参加型の現場密着性活動とグリーンファイナンスの両立
・自然本来の緑の価値共有と時間軸の違い克服
・行政の縦割り打破に対する有効なツールとして利用機会を増やせるか
・長期的コミットメント(15~20年投資)、脱炭素できない資産の不良債権化リスク
・情報開示の重要性
キーワード
・『緑』と『みどり』の違い:みどり=オープンスペース(土、水、人、植栽設計、建物)

4.まとめ
・公園緑地管理は財政・人員不足を背景に、創造的手法と市民参加が鍵
・都市更新にはLEEDなど国際的評価制度の価値軸を参照することが有用
・縦割り打破と長期投資が、脱炭素・レジリエンス都市の実現に直結
・情報開示と価値共有が今後の重要課題

 感想:
今回のシンポジウムは私にとって全くの専門外であったが、昨今、日本各地で熊などの獣害が深刻化している背景には、里山の整備不足や管理放棄が大きく関係していることなどを見聞きして、人間の手による地球の管理、という視点で興味深く拝聴した。

コメントは受け付けていません。