【活動報告】2025 現場見学会「コンクリートに着目した松島周遊」

<概要>

  • 実施日 2025年5月25日(土) 
  • 場 所 宮城県松島町
  • 目 的 「コンクリートが支える観光地松島」のコンクリート構造物を見て歩く
  • 参加者 会員 8名 (協力2名)

<行程> 

見学ルート

松島トンネル→ 渡月橋(雄島)→

仁王島(遊覧船観光)→

松島五大堂 → 瑞巌寺 →

松島海岸グリーン広場

(地下にRCポンプ場)

1 松島トンネル

旧松島トンネル(1947年竣工)を拡幅・延長して1988年に竣工しました。旧松島トンネルは、幅5.5m、高さ4.2mで、 建築限界を満たさない小さなトンネルであったため、拡幅が計画されたものの、鉄道トンネルに近接しているため、工事は苦労したそうです。  

2 渡月橋、雄島

雄島は中世の頃は「奥州の高野」と称される死者供養の霊場だったそうです。そして渡月橋は、その雄島へ修行のために訪れた僧侶が橋を渡る際に俗世との縁を切ったことから「悪縁を断つ橋」とも呼ばれているそうです。東日本大震災の津波により落橋しましたが、2年後復旧されました。鉄筋コンクリート床版橋です。

また、江戸時代の俳人・松尾芭蕉は『おくの細道』で弟子の曽良と共に雄島を訪ねており、芭蕉と弟子の曾良の句碑が建っています。

3 仁王島

 松島湾内外には260ほどの島があるそうですが、遊覧船で回りながら、その一つ仁王島を見学しました。仁王が葉巻をくわえて座っているように見えることからこの名がついていますが、首の部分がコンクリートで補強され、中に鉄筋も入っています。

仁王島
これが仁王島

<昼食> ソウルフードを堪能しました。

4 松島五大堂

慶長9年(1604年)、伊達政宗が瑞巌寺の再興に先立って再建しました。東北地方最古の桃山建築と言われており、現在、国の重要文化財に指定されています。

基礎部分はコンクリートで固められていますが、これはいつ頃の施工でしょうか。

5 瑞巌寺

 伊達政宗が1609年に建立されました。2008年から2018年にかけて大修理が行われました。既存の礎石が不同沈下していたため、これ以上沈下が進まないようコンクリートで固めて補強しました。修理中に東日本大震災に見舞われましたが、建物の解体工事はほぼ終了し骨組みだけになっていたため、大きな被害を受けずに済んだそうです。

本堂基礎部分の修繕工事の様子

本堂基礎部分の修繕工事の様子1
本堂基礎部分の修繕工事の様子2

6 松島海岸グリーン広場

松島町の雨水はもともとポンプにより松島湾に強制排水されていましたが、東日本大震災後、地盤沈下により大雨時の排水不良や海水の市街地流入が発生したため、新たに「浪打浜雨水ポンプ場」が建設されました。都市公園法の制約等により、施設は地下に建造されています。

建設時 仮設土留と鉄筋工
建設時 仮設土留と鉄筋工

<おまけ >

※ 樹上のラン「セッコク」は松島町の町花だそうです。日本での自生は宮城県が北限。

瑞巌寺セッコクとしてバイオの技術で増殖して観光資源として紹介を図っているところに

震災が来て、育成施設も被害にあわれたそうです。

2019年に施設が完成し、栽培の試みが継続されているそうです。 by宮地

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