本法人も今期で10年目を迎え、この10年間で、理系進学・就職を目指す若い世代への支援、シンポジウムの開催、技術系女性のロールモデルとなるポートフォリオの作成、学生を対象とした小冊子「理系の仕事って?」の作成、高校への出前講座、国際会議への参加等、「社会貢献」を基本理念に様々な取り組みに挑戦してまいりました。
その間私たちを取りまく社会も徐々に変化し、男性も含めた働き方改革の考え方も進み、働く人・働き方の多様性を受け入れ、様々な人に働きやすい職場、社会の仕組みや方策を模索するようになりました。仕事も家事も性差ではなく個々の能力や嗜好により分担していくことが、社会の効率や幸福感を高めていくのではないでしょうか。人口減少の中にあっても日本の発展を継続していくために、性差にとらわれずに仕事を選ぶこと、人生に起こるさまざまなハードルの乗り越え方を若い方々に提示していくことを目指します。
他国に比べ、女性の社会進出が著しく低い日本において私たちが行うべき活動は沢山あります。未来を担う子供達への指導、技術系で働く若い女性達への支援等、私たち自身が数少ない女性技術者のロールモデルとして活躍することが求められていると考えます。活き活きと働く先輩女性の姿は何よりも次世代の女性が社会参画する推進力となることでしょう。
本法人はこのように社会貢献を基本理念とする一方で、多分野にわたる女性技術士の集団としての技術提供や女性技術者の育成、また会内部に向けて会員間の技術情報のネットワーク化、技術力の向上に資する活動を目指します。設立10年目を迎え、本法人では組織運営の見直し、活動のグレードアップ、会員増強を図っております。何卒、今後とも皆様との交流を大切に、私たちの活動への御理解と御協力を御願いいたします。
特定非営利活動法人 女性技術士の会 宮地奈保子