- 日 時:2020年10月24日(土)~10月25日(日)
- 場 所:New Taipei City Hall 及びオンライン(在:台北以外)
コロナ禍の影響で、台湾への渡航が制限されたためオンライン併設で開催 - 活動形態:参加
- テーマ:Alliance for Women in STEM –Making Change for an Inclusive Society
- 概要:全体プログラム
10月24日(土):Keynote ・ Country Report Oral Session (16カ国)
Country Report報告国:
バングラデシュ、インド、日本、韓国、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、シンガポール、台湾、ベトナム、スリランカ、オーストラリア
Keynote 講演者 (イギリス、アメリカ、ドイツなど)
10月25日(日):全体講演 Keynote Lecture
テーマパネル(5セッション)
・ STEM Women at Work
・ Gender perspectives for sustainability
・ Gendered Innovations in STEM
・ Gender Perspectives in STEM education
・ STEM Women Networking
クロージング
- 規模: 25か国参加
・全体参加者数:New Taipei City Hall 150名 ONLINE 200名
・日本参加者数:13名
当会参加者(飯島※1、木村※2、中野※3、宮地、井本、仁田、橋本、千木良、杉山、原田、八百屋、沼澤)
※1発表者 ※2Country Report Ⅴ Chair
※3Keynote Lecture Co-Chair
- 進行:ミーティングは、リアルの会場とGooglemeet のウェビナー機能のオンライン。YouTube 配信もあった。
(APNN 2020 Day 1 Original – YouTube 2020.12 限定公開)
24日・25日は聴講しつつ、日本人有志によるチャットグループで議論。英語の発表の日本語訳メモの提供、日本のジェンダーギャップ指数121位である原因を探りつつ、アジア圏における女性技術者科学者の動向調査、女性技術者の情報交換、国家的な視野でのダイバーシティの議論や施策について、あるべき姿に関する意見交換などを行った。
Country Report Ⅰにて 日本の発表は、当会の飯島玲子さんが行った。
SNSで話題の手作りポテトサラダ論争を交えたD&Iへの取り組みを発表。
Country Report ⅤのChairとして発表者の略歴の紹介を当会の木村了さんが行った。Chair を会場だけでなく、各国の団体(日本はJNWES)の理事長が行うというのは、台湾の粋な計らい。右側は、視聴者も参加できるチャット。
Keynote Lecture のCo-Chairとして、発表者への質疑応答に対応する当会の中野亜求了さん。
質問者→会場(台湾)
回答者→イギリス
Co-Chair→日本
クロージング
会場・参加者がバーチャルに集合。本来であれば、次年度の議長国のモンゴルのメンバーが台湾の舞台にたつところ、それはかなわないため台湾メンバーでモンゴルの民族衣装の仮装をして参加(会場中央の赤い服)。
(2021年度 開催国はフィリピン)
- 参加者からの所感抜粋:資料・開催の様子は、前述の全体プログラムへのリンクを参照。
・日本の理系に占める女性割合は、OECD諸国のみならず、APNN参加国中でも最下位と改めて感じた。
・その他アジア諸国は大学レベルでは学科によって異なるが、概ね50%程度と人口比と変わらないことを再確認した。
・韓国は、日本と同様、理工系の女性比率は低いものの政府援助の規模が格段に違うと感じた。
・ベトナム、シンガポールが初めての女性技術者科学者会議を実施したと成果を発表していた。この2か国のように比較的新しい参加国の国内会議にオーストラリアが積極的に参加しているのが印象的であった。
・インド、パキスタンは、国内の女性の識字率が男性より低い状況で(約50%)、女性の技術者を育成する苦労を感じた。その中でも、女性技術者の育成に向けた取り組みはあるようだが、医療技術者が多く(60%)工学はまだ10%程度の女性比率、というのは、その後の就職が関係するのかと感じた。
・男女格差の少ないように見える台湾であっても、社会的・文化的なジェンダー差別があるのだと、いくつかの発表を通じて感じた。
<参加者の声>
- 飯島玲子さん
当初、職場の身近なテーマで投稿できないかと気軽な気持ちでご相談したのですが、カントリーレポートの発表者を探している状況とわかり、沼澤理事のご支援頼みでチャレンジを決心しました。その後、企画部をはじめ多くの方に英訳、グラフ作成、PPT編集、発表練習、リハーサルと至れり尽くせりのサポートをいただき、無事に終えることができました。惜しげなく巻き込まれてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
日本のジェンダーギャップは各国からの同情や励ましの対象になると聞いていたため、ただでさえコロナで暗くなりがちな日々、底辺ながらも明るい話題を提供しようと考えました。そこで、夏に盛り上がっていたツイッターでの「ポテトサラダ論争」を取り上げ、「子育て中のお母さんが総菜を買ってもよいではないか」と応援する声が多くあったことを紹介しました。おじさんのような低い声で「母親ならポテトサラダぐらい作ったらどうだ(英語で)」のセリフには参加者の間に笑いが広がっていました。
講演が終わり、抜け殻になったような私を、夫が手作りのポテトサラダを食卓に並べて迎えてくれました。「マスタードを入れてみたよ」と工夫を語ります。軽く混乱しました。準備の1ヶ月、高校生の息子たちも親身にテーマの相談に乗ってくれました。みんな、ありがとう!
- 木村了さん
今回は初Web APNNと言うことと、APNN初参加の飯島さんがカントリーレポートを引き受けて下さったことで、「初」が二つ重なってある意味新鮮なAPNNになりました。ところが開催2週間前に私にも「Chair」の依頼が舞い込みビックリ!私は大の英語苦手なので「英語での質疑応答・意見調整は能力不足で出来ません」とお断りしました。ところがあちらはシツコイ(笑)、毎日のように依頼メールが届き、遂に根負けしてお引き受けしました。台湾側も気を使ってくださって「Co-chairには英語堪能な人を付けるから安心してね!」と。ところがいざ蓋を開けたら・・・なんと画面にCo-chairの姿が無い!「オイオイ、何処行ったあ~」と叫びたいところですが、発表は粛々と進む(ある意味Web会議の怖さを知りました)。結局Co-Chairの分まで紹介を行い、脂汗をかいて何が何だかわからないまま終わりました。今回知ったのは“人間やれば何とかなる”でした。
- 中野亜求了さん
参加登録したらその日のうちに、Co-chairの話がありました。今年のモットーは「できる限りきた仕事は断らない」でしたので、お引き受けしました。でも、国際会議でキーノートスピーカーのCo-chairは行ったことがないのでかなり不安でしたが、担当Chairの方が、質問を引き受けてくれればよいと言ってくださったので安心して参加させて戴きました。オンライン開催ということで1週間前の練習準備があってありがたかったですが、当日は練習と異なっていてかなりバタバタでした。オンライン上の質問は1件のみでしたので、落ち着いて責任を果たすことができました。一番楽しかったのは、日本チームのメッセンジャーでの実況です。皆さんのおかげで2日間の会議がとても楽しいものとなりました。ありがとうございました。
<補足 APNNについて>
APNN概要
APNN (Asia & Pacific Nations Network)は、INWES ※1(International Network of Women Engineers and Scientists)の地域ネットワーク会議。
今回の台湾開催は第10回目。
過去の開催地:
- 1st Annual Meeting (July 19, 2011) Adelaide, Australia, Hosted by Engineers Australia
- 2nd Annual Meeting (June 13, 2012) Kuala Lumpur, Malaysia, Hosted by IEM
- 3rd Annual Meeting (Sept. 14, 2013) Taipei, Taiwan, Hosted by TWiST
- 4th Annual Meeting (July 30, 2014) Seoul, Korea, Hosted by KWSE
- 5th Annual Meeting (June 25, 2015) Ulaanbaatar, Mongolia, Hosted by WSTEM
- 6th Annual Meeting (August, 18, 2016) Wellington, New Zealand, Hosted by IPENZ
- 7th Annual Meeting (July, 14, 2017) Yokohama, Japan, Hosted by JNWES
- 8th Annual Meeting (October, 18, 2018) Hanoi, Vietnam, Hosted by VAFIW
- 9th Annual Meeting (September, 21, 2019) Kathmandu, Nepal, Hosted by WISENEPAL
議長国:
- 2011~2014 KWSE (Korea)
- 2014~2017 JNWES (Japan)
- 2017~2020. TWiST (Taiwan)
- 2021~ モンゴル
※1 INWES:INWESは現在60カ国以上の理工系の同分野・同業者・同世代間だけでなく、異分野・異業種、また、文化や信条、世代や国境を超えた女性技術者、科学者で構成されるグローバルネットワーク。1964年第1回国際女性技術者科学者会議 (ICWES-1:International Conference of Women Engineers and Scientists)がアメリカで開催され、それ以降3年毎に各国でICWES会議を開催し、2002年7月にカナダのオタワで開催されたICWES-12で、NPOとして INWESの組織が発議・誕生。
1999年7月には, ICWES-11が日本で初めて開催され、35ヶ国から総勢1,400名が集まった。
2020年は、ICWES-18を9月にイギリスで開催の予定が、コロナ禍で2021年9月4日~に延期された。