【活動報告】2022年度 シンポジウム

  • 日  時:2022年11月19日(土)14:00~16:00
  • 場  所:Zoomによるオンライン形式
  • 活動形態:主催
  • 参 加 者:20名(講師2名、会員13名、一般5名)
  • 経  緯:2020年度から、5年連続シリーズのテーマ(世界の課題と女性技術者)を設定し、当会主催のシンポジウムを開催してきました。今年度は第3回目でした。参加者からは「普段知ることのない領域の話が聞けた」「見聞が広がりました」とのご感想をいただきました。当会としても、SDGsをさらに考えるよいきっかけになったと思います。関連するSDGsの主な要素は「13 気候変動に具体的な対策を」「15 陸の豊かさを守ろう」です。
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  • 内  容
    ■ 統一テーマ:「SDGs世界の課題と女性技術者」(5年シリーズ)
    ■ 今回のテーマ:「宇宙・空からのデータで陸の豊かさを守り活かす」
    テーマの背景:昨年は身の回りのSDGsに注目しましたが、今回は視点を宇宙に移し、宇宙から眺める地球について考えてみました。
  • 基調講演1:「空から海岸の防災林を知る-Eco-DRR 
    ~航空レーザ測量技術の活用による海岸林の地形と樹林構造~」
    • 講師:井本郁子(いもと いくこ)氏
    • 所属:NPO法人地域自然情報ネットワーク・慶應義塾大学SFC研究所・(株)緑生研究所

 井本氏は、「自然災害の影響を少しでも弱め、人々の命と財産への被害を軽減することが、我々技術者に与えられた使命である」と考えていらっしゃいます。この課題のひとつの答えとして、Eco-DRR(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction:生態系を基盤とする防災・減災)という考え方や事例をご紹介いただきました。

 感想:防潮堤というと、コンクリートの壁を思い出しますが、防潮のための海岸樹林というものがあることを知りました。樹林の密度が下がれば防潮の効果も低くなります。航空レーザの発達・利用によって、海岸樹林の密度の低下等を詳細に把握でき、防潮効果の評価につながるとのことでした。このように樹林のモニタリングを定期的に行うことによって、防災につなげることができます。聴講者からは、津波を軽減するために樹林の種類を組み合わせる可能性についてと、防潮林を新規で作る可能性についての質問がありました。

基調講演1のスクリーンショット

画像提供 朝日航洋(株)

  • 基調講演2:「宇宙ビッグデータを活用した地球規模の土地探しプラットフォーム『Tenchijin COMPASS』」
    • 講師:百束泰俊(ひゃくそく やすとし)氏 
    • 所属:株式会社 天地人 創業者・COO

 講師の百束氏が経営する「株式会社天地人」は、JAXAと連携して宇宙ビッグデータを活用し、まだ誰も気付いていない土地の価値を明らかにしていくスタートアップ企業です。WebGISの農業、エネルギー、インフラ分野等、実際の取り組み事例をご紹介いただきました。

 感想:技術の発展によって、画像・温度・材質・成分などを人工衛星から観測することができます。そのデータを建設業、不動産業、農業、金融業等の他産業へどう活用していくかについて、具体的な例でわかりやすく説明いただきました。特定の場所の降水量・気温・舗装材を表示すると、冬場、路面が凍結する場所が把握でき、これに起伏のデータを足すと、路面凍結・交通事故などのリスクを考えられます。データを組み合わせていろいろな仮説を立て、検証していくと、思いもよらないアイディアが生まれたり、新しい事業ができたりしそうです。天地人で開発した無料ソフトTenchijin COMPASSを試してみましょう。

基調講演2のスクリーンショット
  • パネルディスカッション:井本氏と百束氏の相互の質問が行われました。
     井本氏からは、WebGISは大変興味深い。生物多様性にも応用できそうであり、例えば「コウノトリが暮らしやすい環境はどこか?」などを探せるのかなどの質問が出ました。
     百束氏からは、海岸樹林について、津波のシミュレーションをするのか、ここに樹を植えたいという思いはどうするのかなどの質問が出ました。何か「ふるさと納税」のコンテンツができるかもしれません。
     また、環境省のOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)の検討内容についても話題にあがるなど、専門的な領域まで踏み込んだディスカッションが行われました。

  • 参加者アンケート:満足度は高く、「普段知ることのない領域の話で見聞が広がりました」「このようなシンポジウムを続けてください」「様々な分野の専門家が所属している集団として、分野横断的な課題提起や提案を期待しています」などのご感想、ご要望をいただきました。講師の井本さん、百束さん、ご参加の皆様、運営の皆様、大変ありがとうございました。
参加者の記念撮影

参加者記念写真

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