- 日 時: 2023年12月16日(土)~ 17日(日)
- 場 所: 岐阜県郡上市郡上八幡町
- 主 催: NPO女性技術士の会
- 参 加 者:当会 11名
- 目 的:水の街 郡上八幡の街づくりを学ぶ
- 概 要:
<1日目:講義・散策>
八幡町にサテライト研究室を開設した早稲田大学理工学術院創造理工学部の佐々木葉先生と、八幡町で水の文化の保存継承に取り組まれているNPO法人水の学校の方々から、水を活かした郡上八幡の街づくりについて勉強しました。
郡上市八幡町とその周辺地域は年間を通して降水量が多く、年間平均で全国平均をおよそ1000ミリ上回っており、水の豊富な地域です。
郡上市八幡町市街地の北方には、毘沙門岳、大日ケ岳、鷲ケ岳、烏帽子岳といった山々がそびえ、そこに降った雨はすべて八幡町市街地に流れてきます。非常に大きな集水面積を持った地域になっています。山麓から市街地までは、豊かな山林と農地が広がり、小さな集落があるだけで、美しい水がそのまま八幡町市街地に届けられます。
水系としては、長良川とその支川の吉田川があり、特に吉田川左岸の山々は石灰岩質で、地下水として流れる間に石灰岩の成分である炭酸カルシウムを含むおいしい水がつくられるのです。
このように、郡上市八幡町は、豊かな水量、そして良好な水質に恵まれた水の郷なのです。
郡上八幡町ではどこを歩いていても、水の流れを目にすることができます。町の中に、水路網が整備されていて、そしてそれらを大切に守りながら今も暮らしに活用しているのです。
昔から、水を上手に使うための工夫がなされてきました。現代の生活では、各家庭に水道、下水道が整備されていますから、家庭ごとに取水と排水が行われますが、用水路を使っているとその様にはいきません。水の使い方によって、地域がグループに分けられ、水の使い方が管理されていました。
水を使うための施設としては、
・水船(何段かになっており、上流から使い方が変わる)
・水屋(水船に屋根がつくと水屋、コミュニティーが形成される)
・井戸(手漕ぎの揚水施設がある)
・せぎ(せき、水量を調整する)
があり、今でも大切に管理されています。
街の中を案内していただきました。
① やなか みずのこみち 美しい水路とポケットパークが整備されています。
② 渡辺染物店 建物の前の水路が開渠になっていて、染め物を洗ったりできるようになっています。
③ 乙姫川 かわど(水屋) 乙姫川に設けられたカワドです。洗い物のために足場などが設けられた場所です。今は使われてはいません。
④ いがわのこみち 鯉が沢山泳いでいました。
⑤ (左)常盤電気地蔵尊、(右)郡上八幡旧庁舎記念館
⑥ 安養寺ポケットパーク
⑦ 宗祇水 名水百選第1号に指定された湧水です。白雲水とも呼ばれています。名水に選ばれるためには、ただ単に水が良いだけではだめだそうです。良い水と、それを育む文化と、それを使うための施設、この3つが揃って認定されるそうです。
吉野川にかかる新橋 佐々木先生がデザインされました。高欄の架木が丸みを帯びていて美しいです。
(左上)川沿いの建物には水辺につながる石段があちこちに。(右上)家々の軒先の南天玉
(左下)宿泊した旅館 中嶋屋 (右下)saocolabの様子
~~ 季節を変えて、また訪れたくなる素敵な街でした ~~
<1日目:懇親会>
イタリアンレストラン“TOMORROW”にて懇親会を開催しました。
佐々木先生にもご出席いただき、楽しいひと時を過ごしました。
<2日目:自由行動>
皆さんそれぞれ観光を楽しみました。